舞台ではありませんが、スタジオ撮りのテレビドラマとして放送されたこともありました。
1979年~1980年、関西テレビの「宝塚テレビロマン」という番組で、大和和紀氏原作の『はいからさんが通る』や『ラブパック』を放送。脚本・演出は『ベルサイユのばら』を担当した植田紳爾氏でした。出演は、中堅、若手からの抜粋メンバーで、後にトップスターになった生徒が何名もいました。
漫画のイメージを大切に
「実写化!」「舞台化!」などと聞くと誰もが、「原作のイメージが壊されるのではないか?」と心配します。『ベルサイユのばら』が宝塚で上演されると決まった時も、「劇画のイメージが壊れる!」と、宝塚歌劇団に、苦情やカミソリ入りの手紙が届いたものでした。しかしスタッフも出演者も、池田利代子氏が描き出した世界観を壊さぬよう作品を作り出したため、漫画ファンにも愛される『ベルサイユのばら』になったのです。
大きなステージと最新の舞台機構。大勢のスタッフや出演者。セットや衣装、メークや髪型に至るまで、とことん原作を再現できる環境が宝塚歌劇団にあるのは、大きな利点です。
(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ
そして娘役も、生身の女性とは違う色気や可愛らしさを出すから、漫画のヒロインに寄せられるのでしょう。
少女漫画のキラキラ感や胸がキュンとする恋愛、少年漫画のクールで危なげなかっこよさ。誌面で生きるキャラクターが、虚構の空間=宝塚歌劇で鼓動をする…。
今後も、もっと色々な作品、魅力的なキャラクターに出会いたいですね。
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さて!「宝塚化して欲しい漫画」を、Twitterのフォロワーさんに伺ってみました。その理由なども合わせてご紹介します。