宝塚ファン/宝塚歌劇を楽しむ

宝塚歌劇になった漫画のキャラクターたち

『ベルサイユのばら』『ブラック・ジャック』『るろうに剣心』……。宝塚歌劇団では、漫画を原作とした作品を多数上演してきました。漫画の世界観と宝塚らしさ。その両方がミックスし、魅力的な作品が誕生します。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

『るろうに剣心』~早霧せいな

C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

現在、東京宝塚劇場では、和月伸宏氏による人気漫画「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」を原作とした、浪漫活劇『るろうに剣心』が上演されています。
緋村剣心を演じるのは、雪組トップスター早霧せいな。神谷薫、相楽左之助、武田観柳、斎藤 一、四乃森蒼紫、高荷恵などお馴染みのキャストに、加納惣三郎というオリジナルキャストを加え、原作の素晴らしさに宝塚らしさをプラスした、魅力あふれる作品になっています。
このように宝塚歌劇では、漫画が原作の作品を多数上演してきました。

すべては『ベルサイユのばら』から始まった

宝塚と漫画の出会いは、1974年に初演された宝塚歌劇の代表作『ベルサイユのばら』。ある宝塚ファンが、「マーガレット」(集英社)で連載されていた池田利代子氏原作の「ベルサイユのばら」を、宝塚歌劇団に勧めたのがきっかけでした。

『ベルサイユのばら―フェルゼンとマリー・アントワネット編』~明日海りお

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

『ベルサイユのばら』は、フランス王妃マリー・アントワネットの生涯に沿い、貴族社会やフランス革命、いくつもの恋愛を描いた歴史物の代表作です。
漫画はマリー・アントワネットが主役ですが、トップスターが主役を演じる宝塚では、男装の麗人オスカルや、マリー・アントワネットを愛する貴公子フェルゼンらを主役にしました。
そして、軍服に長いブーツ、ロココ調の豪華なワッカのドレス、ブロンドの髪、華やかなベルサイユ宮殿など、衣装もセットもそれまでの宝塚をはるかに超える華やかな舞台が作り出されたのです。

漫画と宝塚の両方の大ヒットは、「ベルばらブーム」なる社会現象まで巻き起こし、タカラジェンヌもアイドル雑誌に掲載されたり、ベルばらグッズが販売されるほど。宝塚ファンは一気に増え、「ベルばら」を見てタカラジェンヌを目指すという人も増えました。

その後、何度も再演され、通算観客動員数は500万人。宝塚史上、一番のヒット作となったのです。

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