懐石料理と郷土食をベースに、野菜の個性を生かす
テーブルの上や店内にある野菜は、見て触れて、食べて…。どんな特徴があるのか、美味しい食べ方なども説明してもらえ、五感で知ることができます。
ガイドが取材に伺った2月末は、カブや大根が多く使用されていますが、単調にならず彩り良く、また食べやすい大きさなど切り方にも細やかに配慮されていると感じました。
お料理を担当するのは、三浦雅之さんの奥様である三浦陽子さん。レストランオープンに向けて、懐石料理を1年かけて学び、地元の郷土食も取り込んだお料理を提供されています。
『粟』らしいお料理として心がけておられる点についてお聞きすると、「旬の個性的な風味や食感を持った野菜を食材にしますので、その個性を損なわないように薄口で味付けをすること。また、郷土食をベースにしながらも、盛り付けの彩は隠し味になると考えていますので、野菜の作付計画と連動して同じ野菜(例えば大根やカブ、トマトなど)でも色彩豊かな食材を生かした盛り付けを大切にするように心がけています」と、陽子さん。
多品種のものを少しずつとはいえ、これだけいただけばお腹はかなり苦しいのですが、野菜が中心だからでしょうか、胃に負担にならず、清々しい気ちらになりました。
珍しい伝統野菜と五感で触れ合える名店
年々成長していくこんにゃく芋を一堂にしてみることができました。左から1年生、2年生、3年生、4年生、5年生。3年物の芋がこんにゃく作りに使われます。
もちろん、直接手にとって触ったり、匂いを嗅いだりして、五感で野菜と触れ合うことができます。
多彩な伝統野菜をいただいて、それぞれの環境に適した多様な姿があり、それぞれに味わいや香り、歯ざわりと異なる魅力があるものなので、私たち人間も含めた生きもののあり方に通じると感じました。