首都圏新築マンション平均価格は、5,733万円で1.4%上昇
商業地は、三大都市圏平均で2.9%の上昇 東京圏は、銀座が上昇
不動産経済研究所発表の首都圏のマンション市場動向(2016年2月度)によれば、2016年2月に首都圏で供給されたマンション戸数は、2,237戸で前年比13.9%のダウン、価格は、5,733万円で1.4%上昇。供給戸数が減る中、契約率は72.9%と好調の目安とされる70%台を回復しています。また、2016年3月に発表になった2016年1月1日時点の公示地価は、三大都市圏平均の商業地が+2.9%と上昇トレンドを維持(平成27年は、+1.8%)。地方中枢都市の住宅地(+2.3%)や商業地(+5.7%)が上昇トレンドを強めるなど全国的に地価は回復トレンドにあります。
公示地価変動率の全国トップの場所は、『大阪市中央区心斎橋筋2丁目39番1』(商業地)の45.1%。全国の上位10地点のうち、大阪府が6地点、愛知県が2地点、石川県、北海道が各1地点と首都圏から地方の中核都市に推移しているのも今年の特徴です。
一方、首都圏は、都心エリアを中心に商業地および住宅地ともに地価の伸びが加速しています。千代田・中央・港の都心三区に加え、新宿・文京・渋谷・目黒といった地域も地価上昇の伸びが大きくなっており価格上昇トレンドが強まっています。また、首都圏の変動率上位地点のトップ7位までが銀座アドレスであるなど商業地の伸びが顕著で、インバウンドの流れをそのまま引き継いでいます。
銀座は、「東急プラザ銀座」が3月にオープンするなど新規のプロジェクトが相次ぐ注目のエリア。政府の訪日外国人数の目標値を2020年に現在の2倍超の4000万人に増やすなど今後商業地ニーズは、さらに高まることが予想されます。当面、東京に限らず中心市街地の地価は強含むことが予想されます。
東京都のマンション着工戸数は、建築着工統計調査報告(平成28年2月度 国土交通省)を見ると東京都に限れば、8カ月連続昨年対比でマイナスになっており、供給戸数の増加も当面は見込めない状況です。
一方、工事費は原油安などの資源価格の下落で上昇トレンドが止まっていますが、こちらも職人不足などによる人件費の高止まりを考えると大幅な下落は考えにくいのが現状です。
次ページでは、中古市場や購入者像などマーケット面から見た今後のマンションの動向を考えたいと思います。