「旅先で眠れない」……枕が変わると寝つきにくくなるのはなぜか
「枕が変わると眠れない」は、そろそろ卒業しましょう
自分の家ではよく眠れるのに、出張や旅行先ではなかなか眠れない…。そんな経験はありませんか? 自分の家以外で眠れない場合、まず見直してみたいのは「枕」です。また、眠るまでの行動を一定にする「スリープ・セレモニー」も効果があります。睡眠改善薬やお酒の力に頼っている方もいるかもしれませんが、それらには少し注意が必要です。
枕が変わると眠れない場合、「いつもの枕か枕カバー」の持参も有効
枕がぴったり合っていれば、グッスリ眠れます
また、自分のにおいがしみ込んだ枕で眠るほうが、安心できて眠りやすいのかもしれません。旅行などで枕が変わると眠れない人は、自宅の枕を持っていくか、少なくともいつも使っている枕カバーを旅先でも使うと、眠りやすくなりそうです。
旅先でホテルや旅館の枕の高さを簡単に調整する方法
宿泊先の枕がしっくりこないときには、高さを調整してみましょう。ここでは整形外科医である山田朱織氏が提唱されている方法をお勧めします。横向きに寝て、顔の中心を通る線と胴体の中心を通る線が、一直線になるのが理想の枕の高さです。横向きに寝たときに、首が左右に曲がっている感覚がなければOKです。枕が合わなければ、ホテルや旅館に相談するか、タオルやバスタオルで高さを調整してみてください。
詳しい枕調整法は、「首痛や腰痛、肩こりに!最適な枕の選び方と高さ調節法」をご参照ください。
眠れない場合、「スリープ・セレモニー」が効果的なことも
眠る前の行動をパターン化しておくと、旅先でも気持ちが落ち着きます
たとえば、ぬるめのお風呂にゆっくり入って、パジャマに着替えて歯を磨き、軽くストレッチングをして寝床に入り、「おやすみなさい」とつぶやいて目を閉じる。このようなスリープ・セレモニー(入眠儀式)をふだんから行っておいて、旅先でも同じように行動すると、リラックスできて自然に眠りやすくなります。
睡眠改善薬の利用・寝酒の注意点
どうしても眠れないときは、薬局で買える「睡眠改善薬」を使ってもよいでしょう。特に風邪薬や花粉症・アレルギーの薬で眠くなる人には、効果が高いです。薬が効いてくると急に強い眠気に襲われることがあるので、安全のため薬を飲んだら、すぐに布団に入りましょう。寝酒は、洋の東西を問わず見られる文化です。確かにお酒を飲むと、寝つきが良くなります。しかし、アルコールは血液中の濃度が薄くなると、覚醒効果を発揮します。そのため、睡眠の後半では眠りが浅くなり、睡眠全体としては質が悪くなります。
お酒を飲むなら、適量を眠る3時間前までにしておきましょう。そうすれば眠るまでにアルコールが分解されるので、睡眠に悪影響が少なくなります。適量とは、体重60kgの成人男性で日本酒1合、ビール中瓶1本、ワインなら軽くグラスに2杯までです。女性や高齢者はアルコールの分解が遅いので、これの半分くらいが適量です。
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