ソロアルバムを発表してから今年で20年
ガイド:約1年の間隔で、お久しぶりです。中野さんには、2011年の活動開始からここまで3回のインタヴューをさせていただきました。今回、ベストアルバム『TERUO NAKANO 1996-2016』が3月16日に発売となりますが、今まで聞けていなかったことも含めて、集大成となったこの作品についてお伺いします。32ページにわたるブックレットも付いてくるとのことですが、このタイミングで、ベスト盤を発表しようとしたの訳は?
TERUO NAKANO 1996-2016 (amazon.co.jp)
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中野:
1996年にソロアルバムを発表してから今年で20年ということで、これまでの作品をベストアルバムという形でまとめようというものです。廃盤になっている1st『User Unknown』と2nd『Dump Request 99-05』の再発を望む声もあったのですが、単なる再発はしたくないというところではレーベルとも考えが同じでした。そこでこのベストアルバムを2枚組という仕様にして、ディスク1の方には1stと2ndから多くを収録しようと。
User Unknown
Dump Request 99-05
ガイド:
ジャケットのアートワークは、電球、それとも、以前説明いただいた超音波センサーのキセノン菅? これは、中野さんのトレードマークのようになっています(笑)。やはり愛着があるんですか?
中野:
はい、電球には愛着があります(笑)。ジャケットのそれはキセノン管ではなく、白熱電球とそのフィラメントの部分ですね。デザイナーの中井氏が考えてくれたものです。
UTS(Under Techno System)とは?
ガイド:ディスク1は、初期のソロ作品『User Unknown』(1996年)から9曲(新録も含む)。『User Unknown』では、中野さんと同じくP-MODELに在籍した高橋芳一さんが参加し、高橋さんが作成したUTS(Under Techno System)が使われています。UTSにはどのように出会い、使う経緯となったのですか?
中野:
UTSの始まりは、LONG VACATIONのステージでオリジナルの電子楽器を使いたいという私の要望と、高橋君が長年あたためていた楽器開発のアイデアが合致したものです。第1号は電鍵のトリガーで発振器が発音し電球が発光するUTS-1。ここからステージで電球を光らせることが始まったんですね。その後もUTSシリーズは高橋君によって生み出されていきます。超音波センサーによるインターフェイスUTS-6(手刀によるトリガー演奏システム)は私の通常のライヴセットにおける重要なアイテムとなっています。ちなみにUTS-1やUTS-2は現在では高橋君自身の音楽活動の中で使用されています。