損害保険/損害保険関連情報

話題の「民泊」火災保険はどう加入する?(2ページ目)

海外からの外国人旅行客の増加による需要増に加え、シェアリングエコノミーのひとつとして昨今、注目されている「民泊」。これまで旅館やホテルを経営していない一般の人も“旅行業”に参入できることになりました。火災保険はどう加入する?今回は、民泊における火災保険の注意点をお知らせします。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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利用者の過失等による物件の破損トラブルを回避するには

ベランダ

民泊するなら物件の補償もしっかり

また、民泊サービスを提供するうえでより気になるのは、大切な物件が利用者の過失等によって破損するなどのトラブルかもしれません。こうしたケースに備えるには、個人賠償責任保険を付帯した旅行保険への加入を、サービス利用者に義務付ける、宿泊条件とするなどの対応が考えられます。

海外旅行時には個人賠償責任保険が付帯された海外旅行保険に入り、現地で起きたトラブルに備えるのはわが国では一般的ですが、それを旅行者にお願いするわけです。
 

民泊の設備等の不備で、利用者がケガをしたり荷物が破損したときは?

提供する民泊物件の不備等による事故で、サービス利用者がケガを負ったり財物が破損するなどで、物件オーナーが損害賠償請求される可能性もあります。こうしたケースへの備えとしては、施設賠償責任保険の契約が有力な手段です。

この保険は、所有・管理している物件に起因する偶然な事故などが起き、第三者に損害を与え、物件オーナーなどが法律上の損賠賠償責任を負ったとき、保険金が支払われるものです。

サービス利用者との間で時に避けられないこうしたトラブルでは、高額の損害賠償金を負担することになる可能性もあるので、保険等で備えておくのが得策です。

なおAirbnb社では、こうしたトラブルに対し2つの補償制度を設けています。「ホスト保証」は、サービス利用者の過失等により物件が損傷した場合に、1億円を上限とする補償を受けられるもの。一方の「ホスト補償保険」は、サービス利用者の滞在中に、物件内で発生した身体・財物の損害についての賠償責任に対し、100万USドルまでが補償されます。

■Airbnb社の補償制度
  • ホスト保証…宿泊者の過失などにより物件が損傷したときの補償。火災保険ではないので、火災保険には別途加入する必要がある
  • ホスト補償保険…宿泊者が滞在中に、物件内で発生した身体や財物の損害への賠償責任に対する補償
このように、民泊サービスだからこそ心配なトラブルに対応するパッケージには、安心感があります。
 

民泊を始めるなら、火災保険の契約先にも問い合わせを

これまで住宅として利用していた物件を民泊サービスに転用する場合には、契約している火災保険の変更が必要です。住宅物件を民泊に使用し、住宅物件の火災保険をそのままにしていても、どのみち契約を実態に合わせ正しく結び直す必要はでてきます。

そもそも火災保険には、契約時に建物の構造や用法等についての実態を正しく申告する義務である告知義務、契約後に構造や用途等に変更が生じた場合に申告を義務付ける通知義務があります。無用のトラブルを防止するためにも、何か変更があった場合には保険会社や代理店に問い合わせ、確認する癖をつけておくのが安全です。

【関連リンク】
観光庁「民泊サービス」のあり方に関する検討会 
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投資物件購入。大家さんはどんな火災保険に入るべき? 
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