アドバイス1 まずは児童手当分を貯蓄に回すことを目標に
貯蓄については、学資保険は教育資金が目的ですから、実際はその分、毎月貯蓄できていることになります。ただし、それを加味しても、児童手当のうち、2万円が生活費に組み込まれています。児童手当は、全額貯蓄できれば、15歳までに1人約200万円にもなります(第3子は252万円)。したがって、少なくとも児童手当分は全額貯蓄に回せるよう、家計をやりくりしたいところです。家計支出を見てみますと、食費や水道光熱費を下げることは現状ではなかなか難しそうです。
そうなると、見直しが可能な費目は「家族の小遣い」と「雑費」となります。ともに金額は不明ですが、毎月生活費がギリギリとなると、それらで月額にして約5万5000円が支出されていることになります。まずは、何にいくら使っているか、その内訳を明確にし、その上で予算をしっかり決めましょう。仮に月4万円と決めれば、1万5000円は貯蓄に回せることになります。加えて、通信費も、契約プランを見直せば、数千円下げられるかもしれません。
こういった家計の見直しは奥様1人だけが頑張ってもできません。家族全員の協力が不可欠です。ときに「我慢」も必要ですが、現状ではやむを得ません。小さいお子さん3人がいて「貯蓄6万円」は、大きな生活リスクを抱えているということを自覚しましょう。とは言え、急激な節約はかえって逆効果。ストレスがたまらない工夫をしながら、確実に貯蓄できる家計管理を目指してください。
アドバイス2 妻が働き、世帯収入を上げることが最優先事項
家計管理とともに、一刻も早くしてほしいのが、奥様のパート勤務です。保育園費用として月2万円が発生しても、月7万円収入を得られれば、5万円が貯蓄に回せます。児童手当分と合わせれば、年間100万円貯められるはず。そのためには、保育園費用以外、ご主人の収入で生活費をやりくりすることが大前提となります。教育費については、高校までは公立が必須条件になります。それまでの教育費は毎年の収支でやりくりすることが基本ですが、別途、進学塾等のコストが発生する可能性は当然あります。したがって、一番下のお子さんが小学校に上がれば、その分教育費が下がるものの、今後教育費は上がっていくと想定しておくべきでしょう。大学進学となれば、4年間の学費として400万円程度(私立文系)がかかります。それらに備えるためにも、奥様の収入は家計においてとても重要なのです。
さらに言えば、パートではなく正社員として働ける機会、環境があるのなら、それを目指してほしいと思います。収入アップはもちろん、厚生年金加入が老後対策になります。
アドバイス3 夫婦とも死亡保障は確保したい
保険については、現在、学資保険のみですが、持ち家ではなく、家族構成も考慮すれば、ご夫婦の死亡保障がゼロというのは、やはり不安です。死亡保障は、割安な定期保険や共済で確保します。ちなみに、ご主人の年齢の場合、10年定期、死亡保障2000万円で、保険料は月額3000円台半ば。奥様もパートで収入を得るのであれば、死亡保障は必要。10年定期、死亡保障1000万円で、保険料は月額1500円前後(ともに特約を付加しない定期タイプの死亡保険)が目安となります。
現状、家計支出は抑えなくてはなりませんが、これらの保険料コストは仕方がないと考えてください。
もう1点。自動車ローンですが、おそらく金利は5%台だと思います。金融機関の自動車ローンの金利は各銀行、信用金庫等で異なりますが、総じて2%台ですから、借り換えの効果は期待できます。ただし、借り換え手数料が発生しますので、それも含めて、どれだけ全体のコストが下がるのかを考慮してください。複数の金融機関で相談をし、比較検討することをおススメします。
また、ご主人のお仕事が運送業ということで、仕事用としてローンを組んだのであればいいのですが、単に自家用でこの車両費は割高です。現在の家計で、クルマのコストはかなりの負担になっています。自家用ならば、下取りをして中古の小型車等に乗り換えるべきでしょう。結果、ローンがなくなれば、貯蓄ペースもその分上げることができるからです。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
取材・文/清水京武
【関連記事をチェック】
45歳借金500万円。長男が進学なのに買い物が止まらない最低な自分です
44歳子持ち、貯金20万円。家計の立て直しは間に合う?
38歳、貯金70万円。地方転勤を命じられ家計が火の車
35歳子ども2人。ここ半年ずっと赤字家計で嫌になる
36歳毎月10万円の赤字。貯蓄ほぼ0円で親からの借金も
■お金の無料相談、無料診断を受付中です。お気軽にご応募ください。
・お金のお悩み全般はこちら→『マネープランクリニック』
・住宅購入や住宅ローンの試算はこちら→『住宅のお金シミュレーション診断』
・教育のお金に関する試算はこちら→『教育のお金シミュレーション診断』