マイナス金利の影響は大きい住宅ローン
新しい世界の始まり
住宅購入予定者のマイナス金利対策
●固定金利は支払過ぎリスクも住宅ローンを借りる際に「金利」について考えるべきリスクは、将来の金利上昇でした。「でした」そう、金利上昇リスクだけを考えていれば良いのは過去の話です。これまで「金利」は「底」と考えられてきたので、利率は「現在の状況を維持」もしくは、「上がる」との2パターン想定し、金利上昇による返済額の増加リスクを避けたければ、固定金利の住宅ローンを選択すればよかった時代です。
しかしながら、「金利は今よりも下がるかも?」との第三の選択肢も合わせて考えなければならない時代に突入しました。実際に、日本国よりも先にマイナス金利を導入しているスイスでは、マイナス金利を▲0.75%→▲1.25%とマイナス幅を進めています。つまり金利がさらに下がりました。
住宅ローンの金利が下がった場合は、固定金利の住宅ローンを選んだ人は、結果として「支払過ぎ」というリスクを抱えることになります。
●ガイドからのアドバイス
「それでも固定金利を基準に考えましょう」これがガイドからのアドバイスです。たしかに、住宅ローンの金利は、今よりも下がるかも知れません。金利が下がれば変動金利でローンを組んでおけば、恩恵にあずかれます。
しかしながら、金利が上がる可能性も同時に併せ持っています。家計管理はギャンブルではありません。安全、安定が第一です。まずは、固定金利を基準に考えます。その上で、家計にゆとりがある人、住宅ローン返済期間に貯金ができる家計であれば変動金利も選択肢に入れて考えましょう。
注意すべきこと
住宅ローンの金利が下がれば、毎月の返済額も抑えられるため、住宅購入に踏み切る人も増えるでしょう。ここで注意して考えていただきたいことがあります。それは「目先の返済額」よりも、「10年後の返済額」「20年後の返済額」「30年後の返済額」です。低金利に飛びついて、あなたの30年後の家計は大丈夫ですか?「借りられる額」よりも「返していく額」を考えて、住宅ローンを組んで下さい。
ローン返済中の人のマイナス金利対策
マイナス金利時代の歩き方
●変動金利で組んでいる人
「変動金利で組んでいるのだから、銀行の金利が下がって、私の住宅ローン返済額も下がりますよね?」ガイドの所に届いた相談者の声です。ただし、残念ながら、半分正解で半分不正解です。銀行の金利が下がると言っても、下がった金利が「基準金利」なのか「優遇金利」なのかで、結論が変わってきます。
「基準金利」が変わらなければ、あなたのローン返済額は自動的には変わりません。もし、最近のニュースで目にする「変動金利」とあなたが借りている住宅ローンの「変動金利」の利率が、0.5%以上かけ離れていて、ご自身のローン返済額を下げたければ、このタイミングで借り換えを検討すべきでしょう。
●固定金利で組んでいる人
ローンを組んで5年以上経過していれば、あなたのローンは既に支払い過ぎかも知れません。10年以上経過していれば、きっと支払い過ぎでしょう。借り換えを検討することで、毎月の返済額を下げられるかも知れません。ただし、住宅ローンの借り換えは、最初に住宅ローンを組んだ時以上に、融資の審査は厳格になります。諸経費も必要になってきます。費用対効果を検証してから実行しましょう。
一般に借り換えの効果が期待できるのは、次の3つの条件を兼ね備えている事と言われています。
- 「ローン残高1000万円以上あること」
- 「返済期間が10年以上残っていること」
- 「借り換え前後の金利差が1.0%以上あること」
しかしながら、ガイドの経験上、金利差は0.5%でも借り換えメリットが出ることもあります。住宅ローン借り換えで大切なことは、目先の金利だけではありません。自分一人で悩まずに、この機会にファイナンシャルプランナーに相談してみるのもお勧めです。
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