「ナチュール」と名付けられた野菜コースより
印字入りのメニュー。
現在、基本的なメニューはランチが4,500円~16,500円、ディナーが8,300円~20,500円(全て税サ別)となっており、メニュー更新は月替り。ただ、高山シェフが力を入れる島中農園さんの野菜を中心としたコースは「まず野菜ありき」のため野菜の旬に合わせたペースでのメニュー更新となるそうです。
それでは、高山シェフが選んだ「旬の野菜」を中心にしたランチコース「ナチュール」(5,800円税サ別)から御紹介していきます。
・アミューズブーシュ(一皿目)
3種類のフィンガーフード
ルックスは「和」を感じますが、料理はしっかりとしたフランス料理という、現在の高山シェフがイメージされる料理世界を具現化したような、見た目にも味わい的にも美しいアミューズブーシュでした。
・アミューズブーシュ(二皿目)
円やかな酸味が素材感を引き立てる。
しかも単に食材が重なり合っているだけではなく、これだけの多層構造ながら、各個それぞれの味わいが口の中で不思議なほどに渾然一体となり、フランス料理の味として着地しているという魔法のような一皿。
和のエッセンスがありながら足し算としてのフランス料理に昇華されているのは、輝かしい修行歴で培ったシェフの実力と経験値の高さがあればこそでしょう。
「和」と「フレンチ」の融合というよりも、「和」をフレンチの技法で表現した傑作! 先述したアミューズ盛り合わせも含めて、ここまで膨大な仕事量の料理をランチで提供できる高山シェフの指揮力とチーム力の高さに脱帽です。
・前菜(一皿目)
蕪の温かいスフレ ビーンリーフと木の芽を添えて
この蕪が持つピュアな甘味と蟹の旨味が寄り添うようにマリアージュし、繊細さと洗練さを兼ね備えた仕上がりは、まるで日本料理の「蕪蒸し」のよう。
「蕪」そのものの品質の高さとテロワール、それを活かしきる高山シェフの職人仕事が合わさった、まさにオンリーワンの逸品。日本料理でもここまで「蕪」を活かしきった料理は出会ったことがないと言えるほどの蕪料理でしたね。
次ページからは、コース料理の後半を御紹介していきます