・前菜(二皿目)
色鮮やかな旬の野菜とポーチドエッグの一皿

色鮮やかな旬の野菜とポーチドエッグの一皿

こちらも島中さんの野菜を中心にした野菜コースならではの一皿。赤蕪や菜の花、ロマネスコ等々の旬の野菜たっぷりと配置し、真ん中にはポーチドエッグ、アニスの香りをつけたビーツのソース、という構成です。

ポーチドエッグは程好い温度に保たれており、ナイフを入れると黄身がトロ~リと流れ出る趣向。この黄身を野菜と絡め、甘いビーツとアニスの香りを合わせると、各野菜の素材感がより強調されるような相性の良さ。どの野菜も味が濃く、兵庫野菜のテロワールを引き出すような精密な火入れも実にお見事でした。


・魚料理
本日の鮮魚undefinedクミンと蕎麦の香りを纏って、根セロリとジャガイモのガレットと共に

本日の鮮魚 クミンと蕎麦の香りを纏って、根セロリとジャガイモのガレットと共に

魚料理は「帆立」。帆立の上には蕎麦粉とクミンが乗せられていて、香りはもちろん、食感も楽しい仕上がりです。その周りにはポワロー葱、そして下にはジャガイモのガレット、と一皿における仕事量の多さだけでも驚いてしまうほど。特にジャガイモのガレットは最近の若いシェフのフランス料理店ではあまり出なくなってきている料理だけに、久しぶりにガレットと出会えて嬉しくなりましたね。

後述しますが、高山シェフのスゴいところは、こういうクラシックな基本的な料理を作る実力がとにかく高いこと。それは次に登場するパイ包み焼き料理で詳しく書きますが、このガレットも主役の帆立に負けない美味しさと存在感がありました。


・肉料理
「猪名川町で獲れた猪のパイ包み焼き」。また、これとは別添えで「温かい牛蒡のスープ」も付きます。

「猪名川町で獲れた猪のパイ包み焼き」。また、これとは別添えで「温かい牛蒡のスープ」も付きます。

そして先程も少し書きましたが、メインの肉料理は猪名川町で獲れた猪肉の「パイ包み焼き」! この野菜コースの流れでメインの肉料理が古典料理というのも嬉しい意味でのサプライズですが、地元産の猪を使われる地産地消な料理だというのも素晴らしい!

イノシシのフォンをベースにした赤ワインソースに「牛蒡」のピュレを加味させることで、より味わいに奥行きと拡がりが生み出され、尚且つ、重さを軽減しているという野菜コースならではの手法も画期的。こういう古典料理を野菜と組み合わせることで新しくリファインする高山シェフの実力の高さとセンスの良さは、さすがですね。猪肉のジューシーさとパイ生地の芳醇さ、そしてソースの旨味、思わず唸る美味しさがありました。


・デザートへの誘い
プレデザート

肉料理の後は柑橘類のデザートでサッパリと。

アヴァンデセールは下からカルダモン風味のジュレ、真ん中に宇和島産の甘平(かんぺい)という名前の蜜柑、その上にはミントの泡とブラッドオレンジのシャーベットが配置された多層仕立ての一品が登場です。これがデザートと言ってもいいぐらいに仕事量の多さで、その味わいも余韻が美しい調和のとれた完成度でした。


・本日のデザート
デザート

デザート

そしてデザートはスフレのような軽やかな滑らかさのレモンのシブースト。下には生姜風味のビスキュイです。その横にはココナッツのムースとアイスクリーム、それにレモンのコンフィを添えた純白の色合いが美しいデザート、という内容。どちらも甘さ控えめでとても上品なテイストとなっていて、口当たりの優しさが実に心地良かったですね。


芦屋から世界へ

ハーブティ

食後はコーヒー、紅茶、ハーブティから選べ、さらにミニャルディーズもあります。

今回ご自身の名前を冠したレストランで新たな一歩を踏み出されるに当たっては、料理はもちろんのこと、レストランに漂うすべての空気に「自分らしさ」を反映させて行かれるとのこと。洗練された控え目な和のテイストを取り入れられているのも世界中のグルマンに対して日本ならではのフランス料理と雰囲気をアピールしようという志と印象づけられました。水を得た魚のように活き活きとして、自分の感性を信じてさらに深く、さらに前に進まれる高山英紀シェフはまさに可能性の塊。現在進行形のエネルギーに満ち満ちて、日本の芦屋からご自分の料理世界を発信しようとされています。


<DATA>
・店名: Maison de Taka Ashiya(メゾン・ド・タカ 芦屋)
・所在地:兵庫県芦屋市平田町1-3
・アクセス:阪神電車「芦屋駅」より徒歩約5分 (15台分の駐車場あり)
・地図:Yahoo!地図
・TEL:0797-35-1919
・営業時間:11:30~13:00(LO)、18:00~20:30(LO)

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