イノベーションの必要性

イノベーションを考えている様子

イノベーションは点と点が結ぶ時起こる

イノベーションには3種類あると言われています。1つ目は「連続的なイノベーション」。既存の製品やサービスをさらに効率化したり安価にしたりするもの。 2つ目が「非連続なイノベーション」。今までの延長上ではない、全く違う要素を組み合わせることで、画期的な機能の向上をもたらすもの。3つ目が「破壊的なイノベーション」。今まであったものが突然必要なくなったりするような、世の中が一変するようなもの。

既存の事業、既存の商品やサービスでは大きく売上を伸ばせない中、多くの企業でイノベーションが必要となっています。あるいは、顧客の購買活動の質的変化やグローバル化により、さらに一層企業は変化を余儀なくされています。

先に記した、「連続的なイノベーション」の実現を目指して、技術者は日夜、技術革新にしのぎを削り、営業、販売部門では売り上げ拡大のために知恵を絞り、間接部門は生産性向上に努めています。「連続的なイノベーション」であれば、現状住み慣れた世界をベースに考えれば良く、比較的誰でもがチャレンジできる世界かもしれません。

点と点が結び付いた時がイノベーション

2つ目の「非連続なイノベーション」と「破壊的なイノベーション」は、現状の世界とは違う世界に触れなければなりません。ある技術で有名なメーカーの技術者の座談会に参加した時のことです。テーマは「イノベーションはどのようにして起こすか」。ある人が言われました、「異なる点と点が結び付いた時、それが線となり、そこでイノベーションが生まれる」と。

「非連続イノベーション」と「破壊的イノベーション」はこのような異なる点、例えば、知識、ナレッジ、視点、考え方等、異なる点に触れ、それがいま必死に考えている点と結び付いて花が開く、と言うわけです。

スティーブ・ジョブズも「点」について言及しています。「先を見て“点をつなげる”ことはできない。できるのは、過去を振り返って“点をつなげる”ことだけだ。だから将来、その点がつながることを信じなくてはならない」と。

だとしたら、異なる点にいかに多く触れるか、という必要性が出てきます。オープン・イノベーションとは、まさに外部といかに接点を増やすか、という考えです。同じ研究分野であっても、異なる組織の人と会う。あるいは、全く異なる分野の人と出会う、交わる。そのために外部との接点を増やすために、オープンに、外に出る機会を増やすということです。

自分の武器が求心力となる

イノベーションを考えている様子

オリジナルコンテンツが武器となる

しかし、相手の立場に立って考えた時、はたして、自分も相手にとっての異なる点となり得るか、という課題があります。 相手に刺激を与えることができるかという課題です。丸腰では相手に刺激を与えることができません。いわんや、相手が自分を相手にしてくれるでしょうか? 相手に刺激を与えられるような人でないと、目の前を素通りされてしまいます。

「人脈」という言葉があります。誰それを知っている、というだけでは人脈ではありません。知っている相手にとって、自分が有用の人物であるとなって初めてその人は自分の人脈となるのです。そして、相手も自分の役に立つ。双方で役に立つ関係ということでないと長続きしません。その人にとって役に立たないのでは、いずれ相手にされなくなるでしょう。

相手の役に立つ、一つの方法としては専門性を高めることです。もっと言えば、自分オリジナルのコンテンツを持っていることです。それを頼りに人が集まってきます。オリジナルコンテンツがあなたの求心力を高めます。結果、様々な分野の異なる世界の人と出会うチャンスが広がります。確かに、外に出ればいろいろな分野の人に出会えます。オリジナルコンテンツを持っていると、外に出なくても、外にいる人に出会えるようになります。

総務がおぜん立てをする働く場の仕掛け

自らの努力で異なる点に触れることもさることながら、企業としては、総務部門がそのおぜん立てをすることが可能です。いわゆる偶発的な出会いの場を、オフィス内に仕掛けるのです。偶然出会った者同士、特に専門が異なる者同士の偶発的な出会いで交わされる何気ない会話が、インスピレーションとなり、イノベーションのヒントになるのです。

2015年3月号の『Diamond Harvard Business Review』 ではオフィスについて取り上げられていましたが、そこに掲載されていたコメントを紹介します。

「グーグルの新本社は、偶然の出会いを最大限に活かすための設計である」
「最高の意思決定や洞察は、しばしば廊下やカフェテリアでの議論から生まれる」
「モニターの前に座っていたのでは、最高にクリエイティブなアイデアは生まれない」

自分の席で、自らの頭だけで考えるのではなく、オフィス内で異なる専門の人と「衝突」させて、交わらせて、会話をさせるような仕掛けをオフィス内に構築するのですです。通路上に人が立ち止まるような仕掛けにしたり、内階段を作り、交差するときに会話させようとしたり、階段の踊り場にちょっとした休憩スペースを設けたり。あの手この手で、人が衝突し、交わり、会話できるようなおぜん立てです。

自らのオリジナルコンテンツを携え、オフィス内で他の人に刺激を与え、逆にその人のオリジナルコンテンツに触れ、自らも刺激を受ける。そのような場を数多く作ることでイノベーションを生む確率を高めるのです。


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