火災保険は最悪の事態を回避する「非常用アイテム」
火災保険は契約内容がお任せになってしまうことが多い
「あっ!そういえば……」と慌てて契約をする方も少なくないのですが、その時はとにかく契約を急ぎ、契約内容や契約先を吟味することなく、契約に至りがちです。しかし火災保険は、災害で住まいを失うという最悪の事態をカバーする非常用アイテムですから、わが家の必要性に応じ、適切に加入することが大切です。
また、火災保険はどれも同じではない点にも十分に留意する必要があります。たとえば、集中豪雨の増加などで危機感が増している水害は、どのような商品でもカバーできるわけではありません。水害が予測される地域・住宅に住むなら、水害をカバーする火災保険を選ぶ必要があるわけです。
補償内容のみならず、保険期間によっても保険料は大きく変わってきますから、適切な保険を選ぶことは、結果的に保険料を抑えることにもつながるメリットもあるのです。
火災保険は引き渡しの1カ月前から検討を開始
火災保険の契約手続きまでの流れは、以下のようになります。火災保険の契約手続きは、新居の引渡し日の補償開始に間に合うタイミングで行えれば問題ありません。そのためには、原則としてそれまでに申し込み手続きと保険料の支払いを完了させることが必要です。
しかし火災保険料は、住所や建物の構造により異なりますので、契約に先立ち、いくつかの書類の確認を確認し、個別に保険料を算出しなくてはなりません。場合によっては、そのやり取りに時間がかかる場合もあり、思い立ったらすぐに契約に至ることができるとは限りません。特に通信販売の保険会社の場合、書類のやり取りに時間がかかることが予測されるので、余裕を持って臨みましょう。
より良い火災保険の選択をするためには、どのような場合でも住宅引渡し前の最短1か月前ぐらいから検討を開始することをお勧めします。
火災保険契約前に必ず確認しておくこと
●ハザードマップ契約に先立ち、まず手掛けるべきことは、わが家の住所地に予測される災害を把握することです。補償確保に際して外すことのできない重要なプロセスですが、それを踏んでいる人が少ないのは残念なことです。
具体的には住所地の自治体が発行している「ハザードマップ」を確認し、それを踏まえ火災保険で確保すべき必要な補償を検討していきます。ハザードマップには洪水や内水氾濫のほか、土砂災害、津波、高潮など、地域特性に合わせ様々なものがありますので、わが家にどのような災害により、どの程度被災する可能性があるかを確かめます。
●火災保険の見積を取って、比較検討
同時進行で各社の火災保険商品のパンフレット等の資料を取り寄せます。知り合いに代理店がいれば頼んでもいいですし、WEBを通して資料請求をしてもいいでしょう。わが家の被災予測を踏まえた上で、資料請求先から複数の火災保険の見積もりも取って、比較検討しましょう。
前述したように、火災保険はどれも同じではありません。保険期間や補償内容により保険料は変わってきますので、条件等を変えた見積もりをいくつかとるとよいでしょう。
参考記事:火災保険を安くするワザ
次のページは、火災保険の契約時の手続き方法について解説します。