テクノポップ/アーティストインタヴュー

ハビエラ・メナ(1)~チリが生んだポップの魔法女子(4ページ目)

僕が中南米テクノ(ポップ)に興味を持つきっかけを作ってくれたのが、ハビエラ・メナ(Javiera Mena)。15歳からプログラミングを始め、エレクトロデュオ、Prissaを経て、2006年にソロデビューを果たしました。今回、彼女への貴重なインタヴューが実現しました! まずは前編です。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

2ndアルバム~ポップの魔法

ガイド:
では、2010年にリリースされたセカンドアルバム『Mena』に話を移します。僕はレコード店でブラブラ歩いていると、一つのジャケットが目にとまり、購入しました。それが、『Mena』で、あなたの作品との最初の出会いです。家に帰って聴いてみると、僕のカンは正しかったことを確信しました。ファーストとセカンドアルバム両方のアートワークは、アレハンドロス・ロス(Alejeandros Ros)によるものですね。あなたは彼の作品が好きだから、アートワークを依頼したのですか?

Mena (amazon.co.jp)
mena

Mena


ハビエラ:
はい! 私たちはとてもいい友達になって、最新アルバム『Otra Era(もう一つの時代)』でも仕事をしました。アレハンドロスは、アルバムのアートワークを含めたいろんな分野での素晴らしいデザイナーで、アルゼンチンだけでなくラテンアメリカで高く評価されています。

ガイド:
全曲好きなので、このアルバムから選ぶのは難しいです。オープニングを飾る曲「Ahondar En Ti(あなたに深く)」を聴いた時、スペイン語が分からないのに不思議な感動を覚えました。なんだかノスタルジックな音楽。同時に今まで聴いたことがない音楽。多分それは、あなたは私が聴いてきた音楽が好きでありつつも、あなた自身のルーツとブレンドした表現をしていたからではないかと。どう思いますか?

Ahondar En Ti (YouTube)

ハビエラ:
あなたの言うことはなんて美しいの! どこかで聴いたように感じるけど、全く新しいというのは、ポップの魔法だと思うわ。スペイン語が分からないリスナーが私の音楽のメロディーとアレンジを理解してくれるのはとても嬉しいこと。

ガイド:
ハビエラ、あなたの回答はとても感動的で、泣いてしまいそうです。
「Primera Estrell(一番星)」や「Luz de Piedra de Luna(ムーンライト・ストーン)」はとてもダンサブルなのに、メランコリックです。あなたの歌には陰と陽のパーフェクトなバランスがあります。これは、何度も何度も聴いてしまうのに、あなたの曲は飽きない理由だと思います。これは、どのような曲作りで成し遂げるのですか?


ハビエラ:
そんな風に言ってくれて感謝します。とても勇気づけられるわ。私は、音楽のスピリットにつながる体の奥から作り上げています。音楽はとても力強い女らしいエネルギーで、それを解放して、より男らしいエネルギーに加えていくのです。良質な作品は、音楽が陰と陽の中で超越できるようにバランスが取れていなくてはいけないと思っています。

ガイド:
「Sufrir(苦しみ)」では、Ladytronのダニエル・ハント(Daniel Hunt)とコラボレーションをしています。モノローグのパートは、Human Leagueの「Human」を思い起こします。僕はLadytronも大好きなバンドですが、どのようにこのコラボは実現したのですか?

Sufrir (YouTube)

ハビエラ:
ダニエルが私の音楽を気に入ってくれて、インターネットを通じて話したの。会ったこともなかったけど彼に私のレコード制作に参加してくれるか聞いてみたら、彼は「Yes」と答えてくれたわ。私にとって、とても光栄な出来事でした。

(後編に続く)
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