中古購入+リフォームで理想の住まいづくりを考える人が増えています。でも気になるのが、その品質。雨漏りしない?土台は腐っていない?後で費用がかさみそうなど不安に感じる人も多いのでは?そこで事前に建物の現況を検査する、インスペクションについてご紹介します。

中古住宅購入+リフォームの落とし穴

売り物件

中古住宅は見た目のキレイさだけでなく、見えないところに大事な部分がある。

中古住宅の品質は、建てた時のグレードの違いだけでなく、その後の維持方法によってもばらつきがあります。

一見キレイに見えても、住宅の大事な部分は見えないところ、わかりにくいところに集中しているため、表面を化粧してしまうと、劣化を見抜くのはなかなか難しいものです。

例えば、天井にできた雨漏りの染みも、表面のクロスを張り替えてしまえば、室内からちょっと見ただけではわからなくなります。気付かないまま購入すれば、後で多額の補修費用が掛かってしまうかもしれません。

中古住宅は同じように見えても状況によって質が違い、リフォーム費用はもちろん、その後の維持費や家そのものの寿命も変わってきますので、見た目のキレイさだけで選ぶのはとても危険なことなのです。

 

トラブルがおきやすい場所は、屋根や外壁の突起物まわり

赤い屋根

中古住宅の不具合の事例としてあげられているのが、屋根からの雨漏り。

住宅瑕疵担保責任保険協会の資料によると、中古住宅の不具合で多いものとして「屋根からの雨漏り」の事例があげられています。そしてその雨漏りは、小屋裏の検査をすれば、事前に発見できる可能性が高いとしています。

またその他の不具合として、出窓や庇などの出っ張りの根元から雨水が浸入していた事例なども報告されています。雨水が浸入すれば躯体が腐食し、耐久性や安全性を低下させるだけでなく、カビの発生によって健康被害を及ぼすこともあります。

このように構造躯体や生活に影響を及ぼす不具合は、一般にはなかなか発見しにくく、またリフォーム費用も高額になる傾向があります。

 

インスペクションとは、建物の現状を把握する検査や診断

そこで、このような中古住宅に対する不安を取り除き、購入後のトラブルを回避するために、建物の現状を検査、診断するのがインスペクションです。

既存住宅インスペクションの見取り図。国交省が定めたガイドラインは、一次的なインスぺション部分。

既存住宅インスペクションの見取り図。国交省が定めたガイドラインは、一次的なインスぺション部分。


インスペクションは大きくわけて3種類あり、専門家が目視で確認する一次的なインスペクション=既存住宅現況検査、精密機械を使って詳細に診断する二次的なインスペクション=既存住宅診断、性能向上インスペクション=耐震診断などに分けられます。

検査と診断の違いは、検査はあくまでも現状を把握するためのもの、診断は劣化の原因や範囲を特定するものとされていて、中古住宅売買時における一次的なインスペクション=既存住宅現況検査に関しては、国土交通省がガイドラインを定めています。今回は、このガイドラインが定める現況検査の概要と手順、注意点をご紹介します。

インスペクション業務の依頼先と実施のタイミング、費用

検査

インスペクションの業務を行う検査人は建築士などの専門知識を持ち、講習などで必要な知識を補うことが必要とされている。

ガイドラインでは、インスペクションの業務を行う検査人は、建築士など住宅建築の専門資格を持ち、講習などで必要な知識を補い、終了考査で合格することが必要とされています。

例えば、住宅瑕疵担保責任保険協会では、国交省のガイドラインに準拠した検査技術講習を実施、一定の知識を有した技術者を「既存住宅現況検査技術者」として登録しています。このような資格の有無は、依頼先選びの目安になるでしょう。

インスペクションの実施のタイミングは、売買契約を締結する前に行っておくのがお勧めです。ただし、検査には住宅所有者の承諾が必要になるので注意が必要です。

検査費用は、一次的なインスペクションで5万円程度~、二次的以降の詳細な診断が必要な場合は、そこにオプションで追加していくスタイルが多くなっています。

 

一次的なインスペクションの具体的な項目

基本的な検査方法は、通常の手段で移動できる範囲において、対象部位を目視で検査します。例えば小屋裏や床下は点検口などからの覗き込みによる検査を行い、屋根は上るには足場が必要ですので、窓や道路から見える範囲で検査を行います。

【外部】
  1. 基礎
  2. 外壁・軒裏
  3. 屋根
  4. バルコニー 

【内部】
  1. 天井・小屋組・梁
  2. 内壁・柱
  3. 土台・床組
  4. 基礎
  5. 設備配管 

【検査終了後】
  1. 書面による報告書提出

上記の部位を順番に検査していきます。屋外では基礎や外壁のヒビ割れや欠け、シーリングの破断、雨漏りの染みの跡、蟻道の有無、屋内では床や柱の傾きや沈みの計測、壁面の漏水跡、配管関連では漏水や錆による赤水の確認なども行います。

一次的なインスペクションに含まれないが、ぜひやっておきたい箇所

詳細検査

ガイドラインでは床下と屋根裏は、点検口などからの覗き込みによる検査としている。

中古住宅売買時における一次的なインスペクションは、あくまでも目視による現況検査にとどまり、ガイドラインでは、屋根裏と床下は点検口などからの覗き込みによる検査です。

しかし後々おおごとになり、リフォーム費用がかさみやすいのが、この屋根裏と床下の不具合です。点検口から進入しての詳細調査は二次的インスペクションに含まれますが、できるだけ追加でやっておくことをお勧めします。

また1981年以降に建てられた新耐震基準の家でも、メンテナンスの不備等により、現行の耐震性能に適合していない家が多いという調査結果があります。性能向上インスペクションに含まれる耐震診断もあわせて実施しておくといいでしょう。

それまでの住宅メンテナンス履歴の確認をしておくことも重要です。特に外壁、屋根、シロアリ、設備配管の更新などは、今までのリフォームの実施状況によって今後の計画と、掛かる費用が変わってきます。シッカリ確認をしておきましょう。

 

インスペクション+中古住宅購入+リフォームで安心して理想の我が家を

今後、国交省はインスペクションを推進する方針を決めています。中古住宅の契約前に確認する重要事項説明にインスペクションの項目を設ける改正案も出ています。
(追記:平成28年2月閣議決定された宅建業法改正の項目に、インスペクションの説明義務が盛り込まれるなど、導入が進んでいます)(追記2:平成30年4月より、インスペクション実施に対する説明の義務化がなされました)

住宅の購入は、一生に何度も無いとても大きな買い物です。中古住宅の購入前にインスペクションを実施しておくことが、購入後のトラブルを防ぎ、資産を維持することにつながります。インスペクション+中古住宅購入+リフォームで、安心して理想の住まいを目指しましょう。

古い家に必要な費用や、新しい一戸建てを購入したのに10年後に1,000万円の差がついた事例など、中古購入リフォームでの失敗例を下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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