秩父の土産が勢揃いする秩父駅ビルの地場産業センター
地形の変化に富む秩父地方には景勝地が点在しています。山あり川ありの自然や気候を活かし、秩父に暮らす人々は歳月をかけて様々な特産品を産み出してきました。そんな秩父の特産品はお土産におすすめで、秩父は観光で訪れた人にとってお土産の宝庫です。秩父名物は、地域の専門店で一つ一つ吟味しながら選ぶと、奥の深さに気づきます。ところが、観光に夢中になるとお土産選びの時間に余裕がない場合もあります。秩父鉄道の秩父駅ビル1階にある秩父地場産業センターには秩父土産が勢揃いしているので、ここでまとめ買いをした後に電車に乗り込めば効率的でおすすめです。駅ビル内に並ぶお土産にぴったりでバラエティー豊富な秩父名物を5つご紹介します。
猟師の工夫から誕生した「肉の味噌漬け」
山々が嶺を連ねる秩父地方では古くから狩猟が盛んに行われました。主な獲物はイノシシです。その肉を長期保存するために味噌漬けにするようになりました。時代とともに捕えるイノシシの数は減少しましたが、肉をブタにすることで、味噌漬けの伝統の製法が生き残っているのです。大正時代初期になると肉の味噌漬け専門店が、数軒営業するにいたりました。厚さ数ミリの豚ロースを、特製の味噌に漬け込み味を競い合っています。味噌でくるまれた豚肉を鉄板で焼くと、香ばしい薫りとともに肉汁が溢れ出します。また、好みの野菜やキノコとともにホイル焼きにすると、味噌の塩分とほのかな甘味がバランスのとれた風味となります。
自家製味噌が発展した種類豊富な味噌
肉の味噌漬けの味を決めるのは味噌です。大豆と麦の生産が盛んに行われた秩父の農家では家庭ごとに味噌を作っていました。そのため数えきれない種類の味噌が産まれました。良質の麦から作られる麦味噌の「田舎みそ」、米こうじをふんだんに使った「米こうじみそ」、大豆と米こうじから作り上げる「米みそ」を揃えれば、食卓は豊かになるに違いありません。ナス、ショウガを切り込んだ「秩父おなめ」は、素朴な風味で暖かいご飯の味を引き立ててくれます。
しゃもじのような形をした「しゃくしな漬け」
秩父地方は冬の寒さが厳しく土壌が粘土質なため長大根の栽培が難しいので、しゃくし菜が盛んに栽培されるようになりました。正式な名称は「雪白体菜(せっぱくたいさい)」です。しゃもじに似ているために「しゃくし菜」と呼ばれるようになりました。漬物にしてもシャキシャキとした歯応えは失われることがありません。お土産にぴったりな秩父名物です。気候や独特の調理法から生まれた麺類
一日、四季の気温差の大きな地域は、そばの栽培に適します。これに、荒川の源流を引いて生育した秩父のそばは、腰が強くて豊かな風味を産み出します。そばの他にもうどん作りも盛んで、塩を加えることなく麺を打ち上げます。こねた生地を、へらの上で切って鍋に「切り込む」調理法から「おっ切込うどん」と呼ばれています。秩父そばの味を自宅で再現する「くるみそばつゆ」
秩父地方に点在するそば屋では、くるみだれそばを看板メニューにしている店舗が数多くあります。お出掛け先で忘れられない味を自宅でも味わいたいと思ってしまいます。そんな時、そばと一緒に秩父名物の「くるみそばつゆ」をお土産として買えば自宅でも手軽に秩父の味を再現できます。「やますりくるみ」を駆使してオリジナルのつゆを作るのも楽しいものです。【秩父地場産業センター】
住所:埼玉県秩父市宮側町1-7
TEL: 0494-25-0088
公式ホームページ:http://www.jiba.or.jp/
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