「確かな記憶」を作るための「ある行動」とは?
「確かな記憶」だけが合格を引き寄せる
とはいえ、これは模擬試験を受けたり、過去問や予想問題などの問題集をひたすら解いたりする必要はありません。あなたの試験勉強に「ある行動」を加えればいいだけです。
その行動とは「思い出す」。テキストであれば、問題集であれ、あなたが読んだ内容を「思い出す」ことです。
試験本番のあなたの行動を考えてみてください。問題文を読んで、必要な知識を「思い出す」でしょう。それが素早く、かつ確かに「思い出す」ことができれば、正解を導ける可能性が高くなるのです。
逆に、いくらテキストをスラスラと読めたとしても、問題集をうんうん考えて正解できたとしても、その内容を「思い出す」ことができなければ、試験本番では使えません。
そのためにも、試験勉強、特に試験本番が近づけば近づくほど、ただ読んだり、解いたりするのではなく、この「思い出す」の割合を高めていく必要があるのです。
そして、「思い出す」ことで、自分自身が何を「わかっているのか? わかっていないのか?」「覚えているのか? 覚えていないか?」を明らかにしていくのです。
なお、「思い出す」ことで、自分がいかにわかっていないか、覚えていないかが明確になっても、そこで落ち込む必要はありません。大事なのは、試験本番当日です。そこまでにくり返し、「思い出す」ことを重ねながら、だんだんと「確かな記憶」にしていけばいいのです。
新しい教材には手を出すな!絞り込め!
「もちろん『確かな記憶』ができればいいですが……そんな余裕はないですよ」と思う人は、あなたが取り組もうとしているテキストや問題集をすべて並べてみてください。同じようなテキストや問題集がそこにはないでしょうか?
試験勉強をしているとついつい不安になって、新たなテキストや問題集に手を出しがちになります。そして、取り組む量が増えてしまって、中途半端な知識ばかり増やす受験生が実は多いんです。
お子さんから新しい参考書や問題集を買いたいとせがまれても、「勉強熱心だなあ」と思って何でも買い与えるのではなく、本当に必要なものなのか、中途半端でやりかけの参考書や問題集がないか確認してください。
今ではインターネットにも多くの試験情報があふれていますから、不安になればなるほど、そういった情報が気になって、あいまいな情報ばかりが増えて「確かな記憶」が増えていかないという悪循環に陥ります。
「確かな記憶」を増やし、合格確率を高めるためには、試験本番までに取り組むテキストや問題集を「絞り込む」ことです。それ以外のものは捨てるか、箱にしまい込みましょう。
そして、スマホなどネットに接続できるものに触れる時間もできるだけ少なくすることです。そのためには、物理的に手の届かないところにそれをしまい込むことが一番です。
絞り込んだテキストや問題集に対して、「思い出す」ことをしながら、あなたがわかっているところ・覚えているところ、そうでいないところを切り分けていきましょう。
そして、もう「こんなの常識だ」とすぐに判断できる箇所はもう読む必要も思い出す必要もありません。そこはマーカーで消して、その代わりに、まだそこまでの「確かな記憶」になっていない箇所に取り組んでいきましょう。
こうするなかで、試験本番当日、実際に試験問題を目にしたときに、必要な知識を思い出し、確実に点数を積み上げることができるのです。
「思い出す」、そして「絞り込む」。この二つの行動を組み込んで、試験本番まで走り抜けてください! そうすれば、本番当日、あなた、そしてお子さんは「確かな記憶」を持って、確実に点数を上げることができるようになるのです。
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