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2015年の投信上昇率ベスト10は日本株ファンドが活躍

2015年の世界の株式市場は、前半こそ堅調に推移したものの、後半はチャイナショックの影響が尾を引いたため前半の高値を抜くことができない市場が多かったようです。日本株は4年連続の上昇となりましたが、その上昇率は日経平均株価ベースで約9.0%に過ぎません。しかし、2015年の投資信託の上昇率トップは日本株ファンドでした。どんな投資信託が上昇率の上位を占めたのか見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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アルゼンチンの上昇率が高かった

2015年の世界の株式市場は、後半失速気味で1年を終えました。米国は大統領選挙の前年の株は上昇するというジンクスを覆し、マイナスで終わってしまったのですから……。主要国の株価上昇率を見てみると、トップがアルゼンチンの約36%、次がドイツの約10%、上海の約9%、日本の9%、フランスの約8%……と続きます。二桁の上昇率だったのがアルゼンチンだけなので、ある意味かなり厳しい1年だったと言えるかもしれません。

投資信託ではアルゼンチンの株式だけ、あるいは2位のドイツの株式だけで運用する国内籍の商品は残念ながらありません。国内上場のETFにも存在しないため、2015年の投資信託の上昇率上位にこれらの株式を投資対象とする商品も当然ながら入ってきませんでした。

上位2カ国を除くと上海が僅差で日本を上回っているのですが、投資信託の運用成績においては日本株ファンドが活躍した1年と言えるでしょう。上昇率上位のファンドを見る前に、値下がりした国も簡単に触れておきます。

二桁以上下落した国は、ギリシャ▲23.6%、トルコ▲16.3%、タイ▲14.0%、ブラジル▲13.3%、インドネシア▲12.1%、カナダ▲11.1%、台湾▲10.4%など、主に新興国株の下落率が大きかったようです。ちなみに米国は▲2.2%でした。

中小型株や新興市場株ファンドが活躍

2015年の投資信託の上昇率上位は表にあるように、日本株を投資対象とする商品がトップ10の内9本を占めています。中でも、新興市場や中小型株を投資対象とする投資信託が好調だったようです。第10位の三井住友・配当フォーカスオープンですら上昇率は28.41%。日経平均株価の年間上昇率約9.0%、TOPIX(東証株価指数)の同約10%を大幅にアウトパフォームしているのです。

2015年の投資信託の上昇率上位

2015年の投資信託の上昇率上位



数千本もある投資信託の中から栄えある第1位に輝いたのは、上昇率36.51%、みずほ投信投資顧問が運用する「MHAM新興成長株オープン」です。同投信は、高成長が期待できる新興企業の株式を中心に運用が行われます。ベンチマークと比較して、サービス業や情報・通信業を多めに組入れたことが好成績の要因と考えられます。

第2位もみずほ投信投資顧問が運用する「マネックス・日本成長株ファンド」で、上昇率は35.13%でした。第1位のMHAM新興成長株オープンと非常に似通った投資信託で、2015年12月末基準のマンスリーレポートによれば、組入割合こそ異なるものの、組入上位10銘柄で異なる銘柄はわずか1銘柄に過ぎません。1位、2位の投資信託は双子のような商品と言えそうです。

第3位はSBIアセットマネジメントが運用する「中小型成長株ファンド」で、上昇率は34.18%でした。同投信は、現時点で何らかの理由(課題・困難)により割安な株価ではあるものの、将来への成長機会を持つ(=企業家精神に溢れる)、革新的な高成長が期待できる企業の株式に厳選投資されます。中小型株を投資対象としながらも、売買回転率(売買高比率)を抑え好成績をあげているところにも特徴があります。

第4以下を簡単にみていくと、第5位には唯一中国のA株を投資対象とする「日興UBS中国A株ファンド」が上昇率32.10%でランクインしています。

その他、テーマ型ファンドとして第8位に「三井住友・げんきシニアライフ・オープン」が、第10位には株主還元の高まりを受けて「三井住友・配当フォーカスオープン」がランクインしています。

2016年は年明け早々世界同時株安の様相を呈していますが、どんな投資信託が好成績を上げるのか興味深々です。間違ってもベア型ファンドが好調にならないことを願うばかりです。

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