テクノポップ/テクノポップ関連情報

80年代再考~ダンディズムのABC

1月5日~7日にビルボード大阪・東京にて、ABCの公演が行われました。トレヴァー・ホーン、The Art of Noiseのサポートの元、「The Look of Love(ルック・オブ・ラブ)」で一世を風靡したABCです。ABCと言えば、ダンディズムの貴公子、マーティン・フライですが、ABC及びその関連作品を再検証してみました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ABC来日!

僕にとって2016年の初ライヴは、1月6日にビルボード東京で行われたABCの公演で始まりました。2012年8月に同じ場所で、ABCのデビュー作『The Lexicon of Love』をプロデュースしたTrevor Hornもライヴを行いました。ビルボードでのライヴのいい所は、上手く行けば、テーブル席でステージと近い距離でゆったりと鑑賞できること。この日のライヴでもステージ前列2番目の席を取ることができました。

ABC 来日記念特集 (Billboard Japan)
abc-billboard

ABC公演@ビルボード東京


80年代、金ラメのスーツのイケメンまたは王子キャラのイメージが強かったリーダー兼ヴォーカリストのMartin Fryですが、今でもダンディズムが漂う、いい枯れ具合の紳士然としていました。現ABCのメンバーは、Martin以外は新しくなっていますが、ABCのダンディーなイメージを保つべく、黒いスーツでステージに登場しました

ABCは80年代、複数のヒット曲を放ちましたが、やはり代表曲は、前述のデビュー作『The Lexicon of Love』(1982年)からの「The Look of Love」。この日のライヴでも、予想通り、アンコール曲としてフィナーレを飾りました。

The Lexicon of Love

デビュー・アルバムは今聴いても、そのクオリティの高さが再認識できます。このアルバムの成功は、当時プロデューサーとして黄金時代を築いたTrevorだけでなく、彼の実験的ユニットであったThe Art of Noise(AoN)が全面的に参加していることも大きいでしょう。AoNからは、 Gary Langan(エンジニア、セカンド・アルバムではプロデューサー)、Anne Dudley(オーケストレーション)、J.J. Jeczalik(プログラミング)が参加しました。今回の来日では実現していませんが、本国イギリスでは、Anne Dudleyの指揮によりSouthbank Sinfonia Orchestraがアルバム『The Lexcion of Love』をオーケストラ演奏するという公演が2015年から行われています。これのフォーマットでも来日公演をぜひやって欲しいものです。

The Lexicon of Love (amazon.co.jp)
thelexiconoflove

The Lexicon of Love


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