映画/おすすめ映画

『ブリッジ・オブ・スパイ』とスピルバーグ監督特集(2ページ目)

スティーブン・スピルバーグの新作『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016年1月8日公開)は社会派サスペンスであり、実話の映画化でもあります。スピルバーグはエンタメの帝王のように言われていますが、社会派作品もけっこうあり。そこで、今回はスティーブン・スピルバーグ監督が描く社会派映画にスポットをあててみました!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

アカデミー賞を受賞した英雄映画

『リンカーン』(2013年度作品)
南北戦争末期、リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、憲法改定案を通そうとするものの、戦争の継続の危機や自身の息子の入隊など問題は公私ともに山積みでした。それでも威厳を持って大統領としての職務を全うしようとするリンカーンを描いた作品。

世界の偉人に必ず登場するリンカーン。やはり人の心を掴む大統領は話術に長け、それをダニエル・デイ=ルイスが見事に演じ切ります。その彼の名演を引き出したのはスピルバーグ監督の演出! ここぞというときに長回しの撮影で、ルイスの緩急つけた絶妙な芝居をじっくり見せます。それに応えるルイスも素晴らしく、監督と主演俳優の才能が溶け合う瞬間を見られる喜びがこの映画にはあるのです。アカデミー賞主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)受賞作。

監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ


『シンドラーのリスト』(1993年度作品)
ドイツの実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)はユダヤ人をナチの迫害から助けようと尽力。1100人以上のユダヤ人を自身の工場の労働者として働かせ、ナチから守ったという実話の映画化。

スピルバーグ自身がユダヤ人ということもあり、並々ならぬ情熱を注いだ作品として語られています。10年以上も構想を練ったなど制作秘話も興味深い。ほとんどモノクロで描いているのは当時の映像の再現フィルムとして残っているのがモノクロのため。この映画の場合、モノクロ映像の方が時代を映し出し、逆にリアリティが増している感もあります。

シンドラーを演じたリーアム・ニーソンはこの映画でスター俳優に。長尺な社会派映画ですが、まったく飽きさせない演出の上手さはさすが映画を知り尽くした男、スピルバーグです。アカデミー賞作品賞、監督賞受賞作。

監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー、レイフ・ファインズ、キャロライン・グッドオール、ジョナサン・サガール

>お次は戦争を描いたスピルバーグ渾身の作品をピックアップ。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます