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『ブリッジ・オブ・スパイ』とスピルバーグ監督特集

スティーブン・スピルバーグの新作『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016年1月8日公開)は社会派サスペンスであり、実話の映画化でもあります。スピルバーグはエンタメの帝王のように言われていますが、社会派作品もけっこうあり。そこで、今回はスティーブン・スピルバーグ監督が描く社会派映画にスポットをあててみました!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

スピルバーグ監督の一流の演出がうなる傑作!

『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016年1月8日公開)
ブリッジ・オブ・スパイ

2016年1月8日公開です。見逃さないで!

米ソ冷戦下。ソ連のスパイの弁護を引き受けたドノヴァン(トム・ハンクス)はその手腕を買われて、米ソのスパイ交換の交渉役という任務を言い渡されます。国の関係を揺さぶる重責、極秘任務。彼は家族には告げずに任務を遂行しますが、交渉はなかなか前に進まず……。

ブリッジ・オブ・スパイ

驚くべき実話の映画化

主人公は保険分野の弁護士であり、民間人が、そのような重要な交渉の席につくことがあるのでしょうか? あるんです! これは実話の映画化。『アルゴ』『エリン・ブロコビッチ』など、アメリカは「これ脚本あるんじゃないの?」というような仰天実話があり、よく映画化されていますが、これも然り。
ブリッジ・オブ・スパイ

トム・ハンクスの好感度がドノヴァンの魅力を引き上げています

優秀な弁護士とはいえ、軍関係者でも政治家でもないのに、失敗したら米ソ関係に暗雲垂れ込めるような交渉の席に送り出すなんて、そんな驚くべき実話だからこそ、スピルバーグは監督したのでしょう。

社会派映画ですが、主役はトム・ハンクス。好感度が高い彼が主演するなら堅めの社会派でも見る人はいますからね。またソ連スパイ役で名演を見せているマーク・ライランス。どこで見つけたのか、このいぶし銀の魅力にあふれた英国役者は、ちょっと笠 智衆みたいな感じで味わい深い演技。彼のシーンだけ時が止まってグッと見入っちゃうような。すでに映画賞レースで助演男優賞を受賞していますが、納得です。
ブリッジ・オブ・スパイ

ソ連のスパイを円熟の演技で魅せたマーク・ライランス(左)

ドノヴァンが交渉人として決まり、動き始めるところからサスペンスは高まって行きます。同時にソ連のスパイとの関係や、スパイだと間違われて拘束されているパイロットも助けようと奔走する姿などからドノヴァンの人物像が浮き上がってきて、もう彼の家族のような気持ちでハラハラしっぱなしですよ。ネタバレになるので詳細ははぶきますが、一流の監督、スタッフ、役者が結集して見事な仕事を成し遂げた傑作であることは確かです!


監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・ハンクス、マーク・ライランス、エイミー・ライアン、アラン・アルダほか
(c)2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION.

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