教育資金をジュニアNISAでつくるコツを伝授!
2016年4月、子ども名義の口座でNISAを利用できる「ジュニアNISA」が始まります。それに先立って、1月からジュニアNISA口座の開設ができるようになります。2014年にスタートしている「NISA」と、新しく始まる「ジュニアNISA」は、どのように違うのでしょう。そしてどのように活用すればよいのでしょうか。
大人版NISAと異なる点は「年齢」「非課税枠」「18歳まで引き出し不可」
ジュニアNISAも、株や投資信託などで出た売買益や配当益が非課税になる制度ですが、大人版NISAと異なる大きな特徴が3つあります。●NISA口座を開けるのは未成年者のみ
1つ目は、NISA口座を開くことができる人の対象年齢。大人版NISAは20歳以上ですが、ジュニアNISAでは0歳~19歳の未成年者に限定されています。
●非課税枠は年間の投資元本80万円まで
2つ目は非課税で運用できる投資元本の金額。大人版NISAは、2016年より年120万円までになりますが、ジュニアNISAは年80万円が上限です。
●原則18歳まで口座から引き出せない
そして3つ目は、大人版NISAが預け入れたお金をいつでも引き出せるのに対して、ジュニアNISAは原則18歳になるまでは引き出せないことです。教育費のピークと言われる18歳時まで、預けたお金に手をつけることができません。お金を取り崩さず確実に貯められるため、ジュニアNISAは教育資金づくりに向いていると言われているのです。
18歳になる前に払い出すと過去にさかのぼって課税される
ジュニアNISAの口座は未成年者本人名義になりますが、非課税で運用するためのお金を出すのは親や祖父母だけでなく、第三者も可能です。また、お金を払い出すことができるのは、3月31日時点で18歳である年の1月1日以降(例:高校3年生の1月以降)。もしそれ以前に払い出しを行うと、過去の利益にさかのぼって課税されてしまいます(災害などのやむを得ない場合は除く)。
非課税の恩恵を受けて運用するためにも、途中で払い出すことのないよう、余裕資金で計画性をもってスタートさせるのが良いでしょう。
教育資金を貯める手段のあくまで一部と考える
現在の制度では毎年80万円で最大8年間買い付け可能なので、フル活用すればのべ640万円の投資元本から得た利益が非課税となります。640万円もの金額が18歳時にもし手元にあれば、大学生活も安心して過ごせそうですね。しかし、ジュニアNISAはあくまで資産運用。運用結果によってはお金が減るリスクもあるため、あくまで教育資金を貯める手段の一部として利用したいもの。ジュニアNISAだけに頼らずに、学資保険など、お金が減るリスクが少ない手段も併用すると良いでしょう。
また、非課税期間である5年が終わった時の対応も重要です。もし利益が出ている場合はいったん解約して非課税のメリットを享受する、もし減っている場合にはその年の非課税投資枠を使って再投資して、値上がりするのを期待する、等のルールを決めておくと、最大限メリットを活用できるかと思います。
家計の状況に合わせたジュニアNISA活用のポイント
●「1円でも減るのは嫌だ」と思うならジュニアNISAは使わずに、他の方法で教育資金を貯めましょう。
●ジュニアNISAを使いたいけれど、家計から捻出できるお金がない
資産運用にまわしているお金がある場合は、そのお金を活用しましょう。もしなければ、家計を見直して捻出するお金を作り出せると良いですが、無理に借金(車のローンなど)をしてまでやるのは避けましょう。
●ジュニアNISAに少ししかお金をかけられない
ジュニアNISAは年間80万円まで非課税枠があるというだけで、高い金額で投資しなければいけないというわけではありません。少額なら出せるという方には、月5000円などで始められる積立投資信託が向いています。
●毎年、祖父母からお金をもらう予定がある
80万円など大きな金額をもらえる場合は、大きな値上がり益が期待できる株式投資にチャレンジするのも良いですね。また、ギリギリまで非課税枠を使いたい場合は、金額指定で購入できる投資信託がおすすめです。
●子どものマネー教育にも活用したい
子ども自身の名義で利用するジュニアNISAはマネー教育にも向いています。応援したい会社の株式を買う、興味のある業界から伸びそうな会社を選んで投資するなど、株式投資では本質的な投資を体験できます。投資したお金が減ってしまうことがある、逆に大きく増えることもあることを「自分ごと」として実感できるのは、とても良いことと思います。
以上、ジュニアNISAの活用ポイントを紹介しました。投資をしたことのない方も、利益が非課税になるこの機会に、ぜひ少額から始めてみてはいかがでしょうか?
(※)投資はどんな手段であっても元本割れのリスクがあります。商品選びの際はご自身でよく調べた上で実践しましょう。