ファレルとロビン・シックが著作権侵害訴訟で敗訴
2013年に大ヒットしたファレルによるプロデュースのロビン・シックの曲「Blurred Lines」が、R&B/ソウル界の歴代の偉大なアーティストであるマーヴィン・ゲイの遺族からサウンドを真似し、1977年の名曲「Gotta Give It Up」をコピーしていると起訴され、数年に渡った裁判。ファレルは「譜面を読めば全く違う曲だということが分かる。フィーリングが同じなのであって、同じように聞こえるというだけでは著作権侵害にはならない」と主張するも、ファレルとロビン・シック側に敗訴という判決が2015年3月に下されました。
結果、損害額は530万ドル(約6.5億円)にも及び、今後の「Blurred Lines」のロイヤリティーの50%をゲイ家に持たせるという判決に。ファレルは「今後どの業界のクリエイター達にとってもとても不利を招くこととなり、何かにインスパイアされて作品を創るということさえ出来なくなってしまう」とコメント。本当にその通りで、未来のクリエイティヴィティーに自由が制限される結果を招かねない、非常に考えさせられる重い出来事となってしまいました。
ローリンのアルバム「Miseducation of Lauryn Hill」がアメリカ議会図書館に所蔵
90年代を代表するヒップホップグループ、フージーズのメンバーとして活躍した後、ソロに転じたローリン・ヒル。98年に出した初のソロアルバム「The Miseducation of Lauryn Hill」は翌年のグラミー賞でAlbum of the Yearを含む5つの賞を獲得し、全世界で1900万枚の売上を記録しています。
そのアルバムがアメリカ議会図書館に所蔵されることが決定。所蔵されるアルバムは文化的に、そして歴史的にも審美的にも重要であることと、リリースから10年以上経過している事を元に選出されるそう。
今年9月に来日を果たしたローリン、素晴らしいショーを披露してくれました。「The Miseducation of Lauryn Hill」に続く新しいアルバムにも取り組んでいるようで、リリースはまだ先のことかもしれませんが、待望しているファンは多いはず。
カニエ・ウエスト、2020年のアメリカ大統領選に立候補
2015年8月の終わりに行われたMTV ビデオ・ミュージック・アワードで2020年のアメリカ大統領選に立候補すると宣言し、皆を驚かせたカニエ。オバマ大統領や、2016年の大統領選の有力候補者とされているヒラリー・クリントンとも交流を持ち、アドバイスなどをもらっているよう。“Yeezy2020”と称されたカニエの選挙キャンペーンやプロモビデオなどが設立され、少しずつ注目を集めています。これからどんな戦略で、アツき男、カニエが勝負に挑むのか、そしてどこまで世間や人々を動かすことが出来るのか、とても楽しみです。
2015年の最もストリーミングされた音楽のジャンルはHip HopとR&B
音楽の消費の仕方は国によっても違いがありますが、アメリカではストリーミングが10年以上前から主流になっています。音楽ストリーミングサービスを提供している会社は古くからはSpootifyやRhapsodyなどがあり、最近ではAppleやGoogle、Tidal、Amazonなど、増える一方。競争率が激しい音楽ストリーミング界で2015年に最もストリーミングされた音楽のジャンルはHip HopとR&B。ドレイクの「If You’re Reading This It’s Too Late」はリリースされた週に4800万回、ケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」は3800万回、ザ・ウィークエンドの「Beauty Behind the Madness」は何と5700万回で翌週に5200万回などの数が記録されています。
ちなみにロックのストリーミングの最多数はマムフォード&サンズの 「Wilder Mind」で、1540万回。比較すると、その差がよく分かります。
ナズにハーヴァード大学のW.E.B. Du Boisメダルが付与
90年代を代表するラッパー、ナズにハーヴァード大学のW.E.B. Du Boisメダルが付与されました。このメダルはアメリカや世界各国において、アフリカン・アメリカンの文化への貢献が認められた人に贈られる、アフリカ/アフリカン・アメリカンの分野で最も名誉あるメダルとされています。
受賞に関して「ヒップホップ界から初めてこの賞を寄与される歴史的な日となった」とコメントしたナズ。2013年にはハーヴァード大学で「Nasir Jones Hip Hop Fellowship」という、ヒップホップに関するアートで才能を発揮するアーティストや学生を奨学金支援する機構が設立されています。今後もナズのように未来を背負う若者達の教育に貢献していくアーティスト達が増えていくといいですね。
(授賞式の様子はこちらのサイトから確認できます)