2015年、家計の「トリプルスリー」の実現は?
流行語大賞「トリプルスリー」。野球の世界では、「打率3割、ホームラン30本、盗塁30回」。家計の「トリプルスリー」は?
アベノミクスは、まさに家計の「トリプルスリー」を実現するために行われていますが、実際のところどうだったのでしょうか? 2015年の家計環境を「収入」「支出」「資金運用」という3つの視点で振り返りたいと思います。パートナーと1年の家計を振り返る参考にしてみてください。
【参考】1年を振り返ろう! 家計総決算2014年版
2015年の家計の収入状況、ボーナスで差が出た年
■勤労者は、ボーナスの支給額が鍵であった1年まず、2015年の家計を収入面で振り返ってみましょう。厚生労働省の統計によると、毎月決まって支給する現金給与額は、前年比-0.4%で減少し、19.1万円(平成27年7月分の給与)、平成26年8月から平成27年7月に支払われた賞与などの特別に支給された現金給付は、前年比4.1%増加で、21.7万円(厚生労働省「平成27年毎月勤労統計調査特別調査」より)で、月例給与は減少、一時金は増加したという結果でした。年間を通して考えてみると、賃金水準はほぼ横ばいであったといえます。
一般的にボーナスは、会社の業績に大きく左右され、業種や企業規模によっても大きく差が出るので、家計が収入面で潤ったかどうかは、ボーナスの支給の影響が多かった1年であったと言えるでしょう。
「平成27年毎月勤労統計調査(特別調査)」より、ガイド平野がグラフを作成
■年金生活者は、初のマクロ経済スライド発動
今年(平成27年)4月からの年金額の改定が厚生労働省より発表され、夫婦2人の標準的な年金額(老齢基礎年金を含む厚生年金)は、22.2万円で前年度と比較し、0.9%の引上げとなりました。前年の物価上昇率は2.7%でしたが、初のマクロ経済スライドの発動により、年金の上昇額は0.9%に抑えられました。
今年に入り、物価は安定していますが(後述)、物価は上昇し、年金の支給額の上昇が抑制されたことから、厳しい家計状況は、このまま継続します。また、今後も、物価上昇によって、マクロ経済スライドの発動されるたびに、年金生活者の収入が実質、目減りすることになり、生活はますます厳しくなることが予想されます。
【参考】2015年4月からの年金、増額でも実質目減り?
>>消費増税から1年。物価はどうなった? 家計への影響は?