明るく輝く星が多い冬の夜空! 冬の星座の見つけ方とは?
冬の星座
星座を形作る星々の中で、1等星と呼ばれる明るい星は全部で21個。冬の夜空では、そのうちの7個が見られます。他の季節よりも明るく輝く星が多いので、夜空はとても華やか。だから星の存在に気づきやすいんですね。これらの星を目印にすれば、冬を代表する星座を順序良くたどることができますよ。
有名な冬の星座の特徴と見つけ方~オリオン座~
この楽器、オリオン座の形に似ていますね
星の色が違うのは、表面温度の違いによるもの。高温の星は青白く、温度が低いと赤っぽく光ります。
赤っぽく見えるのは、寿命が近づいている星。ベテルギウスも、やがて星としての運命を終えて爆発するといわれています。ですが、地球からベテルギウスまでの距離は約640光年。光の速さでも、640年かかります。もしも今、この瞬間に爆発したとしても、そのことが私たちにわかるのは約640年後です。
有名な冬の星座の特徴と見つけ方~おおいぬ座~
オリオン座の三つ星の並びを延長するようにして、視線を左下へうつしていくと、とても明るい星を見つけることができます。おおいぬ座の1等星「シリウス」です。シリウスという名には、「焼き焦がすもの」という意味があります。その通り、地球から眺められる星の中でもっとも明るい星として知られ、周囲を焼き焦がすかのようなメラメラとした輝きは強烈です。
このシリウス、今年から来年へと日付が変わる頃に南中します。私は毎年、大晦日の夜半近くになると上着を着込んでベランダに出て、南の空を見上げるのが恒例です。そして、遠くでうっすらと鳴っている除夜の鐘の音を聞きながら、目に沁みるようなシリウスの輝きの真下で、今年を送って、新しい年を迎えています。星と年越しするのもなかなか乙なものです。
有名な冬の星座の特徴と見つけ方~こいぬ座~
星の並びから、小犬の姿を想像するのは難しいですね
こいぬ座は、2つの星を結んだだけのシンプルな形。といいますか、ただの直線ですね。この線だけで、星座絵のような小犬を連想するのは容易ではありません。星座を作った昔の人の想像力のたくましさには脱帽です。
有名な冬の星座の特徴と見つけ方~おうし座~
オリオン座の三つ星の並びにそって、視線を右上へうつしてみましょう。オレンジ色に輝く星が見つかるはずです。それは、おうし座の1等星「アルデバラン」。そこからさらに西方向へ視線をうつしていくと、星の集まりにぶつかります。「プレアデス星団」です。和名を「すばる」といいます。 すばるは、平安時代に清少納言によって書かれた『枕草子』の中で、美しいものの代表として登場するほど古くから日本人に親しまれてきた星団です。ここに望遠鏡や双眼鏡を向けると、大小の星々がいっぱいで、美しさにうっとりしてしまいます。街灯りの少ない場所なら、肉眼でも5、6個の星を数えることができます。有名な冬の星座の特徴と見つけ方~ぎょしゃ座~
おうし座の上では、5つの星が将棋の駒のような五角形を描いて輝いています。それが、ぎょしゃ座です。5つの星のうち、一番目立って見えるのは1等星の「カペラ」。冬の星座の中では、おおいぬ座のシリウスに次いで明るい星です。カペラとは「小さなメスやぎ」という意味。星座絵を見てみると、おじさんが左胸に子ヤギを抱いていて、子ヤギのところにカペラが位置しているのがわかります。
ちなみに、子ヤギを抱いているこのおじさん、神話ではアテネの国王です。足が不自由だったため、それを補うために戦車を発明し、自ら戦車を操って敵陣に飛び込む勇者でした。
ぎょしゃ(馭者)といえば、馬を操って馬車を走らせる人のことですが、ぎょしゃ座には「戦車を操る人」という意味が含まれています。
有名な冬の星座の特徴と見つけ方~ふたご座~
冬の大三角の真上を見ると、2つの星が仲良く並んでいるのが目に飛び込んできます。明るいほう(東側)が「ポルックス」、暗いほう(西側)が「カストル」。どちらもふたご座の星です。一見、明るさの違いがわかりにくいかもしれませんが、ポルックスは1等星、カストルは2等星に分類されています。さあ、これで冬を代表する星座が出そろいました。
オリオン座のリゲル、
おおいぬ座のシリウス、
こいぬ座のプロキオン、
ふたご座のポルックス、
ぎょしゃ座のカペラ、
おうし座のアルデバラン、
これら6つの1等星を順につないでいくと、夜空に大きな六角形が浮かび上がります。 それは「冬のダイヤモンド」。明るい星がたくさん輝く冬の夜空には、ダイヤモンドが隠されていたんですね。
市街地でも1等星は目を引く存在で、肉眼でもよく見えます。冬の大三角や冬のダイヤモンドを探して、星と星をつなぐ楽しさを味わってみてください。
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