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ワークスタイル変革に効く、コミュニケーションとは?(2ページ目)

ワークスタイルの変革が叫ばれて久しい。企業内では人事が中心となって制度を作り、総務が働く場を変革することでワークスタイル変革を下支えしていく。ワークスタイル変革をやった方が良い変革ではなく、しなければならない変革とするには、現場とどのようなコミュニケーションをとるべきなのでしょうか。伝えるべきコンテンツとコミュニケーションの取り方を考えてみました。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

コンテンツの流れ

仕事をしている様子

社内の成功事例を集約して紹介することで、変わるきっかけを提供する

成功事例もさることながら、先に記した、やったほうが良い変革から、しなければならない変革へと意識を変えるためのコンテンツとはどのようなものがあるのでしょうか。 しなければならないという意識の根底には、当事者意識が必要となります。わが身に置き換えて考えるような仕掛けが必要です。

当事者意識の喚起のポイントは、自分との関連性です。自分との関係性が認知されないと、「で?」、ということになり、当事者意識の喚起に繋がりません。しかし、自分との関連性、つまり個々の社員との関係性になりますと、細分化されすぎて共通項が見つけにくいというのであれば、自社の事業との関連性となります。そうなれば、自社の事業に置き換えて考えることができるようになります。一般論、抽象論に終わってしまうと、自分ゴト化することが難しいからです。

まずは、従来型のワークスタイルがなぜ問題なのか、その点を明確にします。無意識で行っている今までの働き方を自覚してもらうのです。時代の流れや要請、環境変化により、その働き方ではこのような問題が発生してしまうことを明示するのです。

結果、今までの働き方を続けることによるデメリット、弊害について、個々人の働き方、自社の事業との関連で説明します。このままでは決して良い結果とはならない。このままでは衰退してしまう。そのような暗い将来像を具体的なイメージが持てるように示してあげます。

しかし、望ましいワークスタイルに変革することで、そのデメリットは回避され、売上拡大に結び付く、生産性が向上する、あるいはイノベーションが生まれやすくなる可能性が高まるなど、これについても個々人の働き方、自社の事業に結び付けて、明るい将来像を示してあげるのです。

自社も、事業も、組織も人も、全てに利益をもたらせることをイメージさせてあげることにより、自分ゴト化、当事者意識を持って考えてもらえるようになるのです。そして、こうしなさい、という威圧的な言い方ではなく、このような明るい未来を目指しませんか、そのような投げかけ、問いかけで表現するのです。一度個々人で考えるように、読者にボールを投げてあげるのです。

効果的なコンテンツ

これからワークスタイル変革を実施する場合、成功事例は存在しません。また、このような全社の取組みについては、全社一斉に実施することは非常リスクが伴います。ですから企業の中にはプロトタイプ的に、一部署で試験導入をするケースがあります。

小さい単位で始めて、そこの成功事例を啓蒙コンテンツとして掲載するのです。成功事例の横展開です。この成功事例のコンテンツとして必要なのが、実践した人の「思い」です。もっと言えば、咀嚼の過程です。ワークスタイル変革を自分なりにどのように理解し、その意義を認め、そしてどのように実践に結び付けたかです。

しかし、思いだけとか、その人固有の事情ばかり掲載してしまうと、「あの人」だからという読後感を持たれてしまいます。思いを掲載することで共感を引き起こしつつ、具体的な実践方法については、そのエッセンスを抜出し、誰でもが実践できるように掲載してあげる必要があります。これなら私にもできそうだ、という読後感を持ってもらうためです。

そして大事なのは、結果としてどのような良い点があったのかを具体的に示すことです。こうすればこうなる、という結び付きを読者にイメージさせてあげる必要があります。個人として、組織として、結果事業として、どのように良い点が生じるのかを掲載することで、人として好まない「変化」の後押しをしてあげるのです。

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