「パンドーロ」「パネットーネ」だけじゃない!クリスマスのお菓子
イタリアのクリスマス菓子と言えば、「パンドーロ」と「パネットーネ」が有名です。「パンドーロ」は、カステラ風の特別なスポンジ生地のお菓子で、粉砂糖をまぶしていただくもの。「パネットーネ」は、これまた独自の発酵を施した生地が特徴的なケーキで、フルーツの砂糖漬けが混ぜ込んであるものが基本形。チョコレートやピスタチオなどのクリーム入りのものもあります。参考:知ってる?イタリアのクリスマス菓子「パンドーロ」の食べ方
これらは、イタリア全土で食べられるクリスマスの定番菓子。12月にもなれば、イタリア全土のスーパーマーケットや食材店、お菓子屋さんに山と積まれ、クリスマス気分を一層盛り上げてくれます。ちなみに、日本でこの時期某鶏肉系ファストフードやクリスマス仕様の宅配ピザのCMが流れるように、イタリアのTVでも、大手メーカーの「パネットーネ」や「パンドーロ」のCMが流れるようになります。
そんなド定番のお菓子のほか、イタリアでは各地で食べられるクリスマスのお菓子も!さすが郷土食の強いイタリア。特に南イタリアに、その傾向が強いかもしれません。ナポリの「ストゥルフォリ」やプーリア州の「カルテッラーテ」。そして、シチリアの「ブッチェッラーティ」などなど。地元では欠かせないお菓子だけれど、その地域をちょっとでも離れると、イタリア人でも「知らない」なんてお菓子があったりします。
シチリア限定の伝統クリスマス菓子「ブッチェッラーティ」
さて、今回は、そんな地域色濃厚なクリスマス郷土菓子から、シチリアのお菓子「ブッチェッラーティ」をご紹介しましょう。「ブッチェッラーティ」は、パスタ・フロッラと呼ばれるタルト系の生地をベースに、中に干しイチジクやナッツなど、美味なシチリア特産品をぎっしりと詰めたもので、サクッとした食感とネットリとした中身が醸し出す、濃密なハーモニーがたまらないお菓子。タルト系生地でありながら、ネリッとした柔らかい食感も特徴的です。
イタリア語では、「Buccellato ブッチェッラート」と書きます。(男性単数形。日本語にするときは、複数形にするのが一般的なようですので、表題はブッチェッッラーティ(複数形)にしてみました)。ラテン語の「Buccellatum ブッチェラートゥム」(ひと口大に千切れる)が語源で、実際、手でネリッと千切れます。
シチリア菓子らしく(?)、当然至極甘い!ですが、素材の美味しさそのままの味わいは、むしろ健康にも良さそうな感じがしないでもない「ブッチェッラーティ」。日持ちがする上、中は柔らかいけど周りはしっかりした生地なので型崩れもしにくい!スーツケースに押し込んでもOKなほど丈夫(力の加減によりますが)だから、お土産にもおススメです。
この時期、シチリアに旅行するなら、要チェックの伝統菓子です!