にきび/ニキビの治し方・ニキビケア

ニキビ治療に朗報!パワーアップした保健薬BPO(2ページ目)

ニキビは毛穴に起こる皮膚病です。「ニキビは皮膚科へ」、徐々に浸透しつつある言葉です。では、実際に皮膚科に行くと、保険診療ではどのような治療を受けられるのでしょうか。2015年は、ニキビの保険治療が一層パワーアップした年になりました。今回は、そのきっかけとなりました新薬の効果や特徴を中心にお話しします。

吉田 貴子

執筆者:吉田 貴子

スキンケアガイド


気になるBPOの効果を確認しましょう

BPOの効果は2つ、「角層剥離作用」と「抗菌作用」です。毛穴の入口の角層が肥厚することがニキビの初期段階ですが、その「角栓」を除去またはつくらせない効果がBPOにはあります。そして、赤ニキビの原因となる「アクネ菌(P.acnes)」などの細菌の活性を抑制する効果があります。それにより、白ニキビと赤ニキビの両方を減少させます。

用法は1日1回、洗顔保湿後、ニキビの出来やすい部分に伸ばして塗ります。個人差はありますが2週間程度で効果が実感できるようになります。症状が良くなってからも、ニキビができにくい肌にするために医師の指導のもと、塗り続けることをお薦めしています。

優秀な効果をもつBPOですが、少し困った点としては、アダパレン同様、使用直後から赤みが出る、ヒリヒリするなど皮膚への刺激症状が出ることです。ただしアダパレンと比べて症状はマイルドで、1~2週間この症状とうまく付き合いながら乗り切ることで、不快な症状は出なくなっていきます。また、枕や衣類が脱色してしまう可能性もありますので、色の濃い寝具には注意しましょう。


今までのニキビ治療薬との違いは?

では、保険適応外用薬において、BPO製剤である「ベピオゲル」の発売前と発売後の違いは何でしょう?

まず、さらに話しが遡りますが、「ディフェリンゲル」発売前のニキビ治療薬のメインは一般名「アクアチムクリーム」、「ダラシンゲル」など抗生物質製剤でした。これらには角栓を取る効果は一切なく、赤ニキビの炎症に対して効果を発揮する薬剤です。一方、ディフェリンゲルの持つ角質剥離作用はベピオゲルと共通の効果です。しかし前述の通りBPOには抗菌作用もあるため、加えて赤ニキビの炎症を早く抑えることが期待できます。ということで、BPOは既存のニキビ治療薬の2つの効果を持ち合わせ、なおかつ耐性菌の問題のない画期的な製剤であると言えます。先にも述べたように、皮膚への刺激はマイルドであることを考えると、毛穴のつまりを取る作用は、ディフェリンの方が強いことが予想されます。BPOはデイフェリンの角質剥離作用に加え、抗菌作用、抗炎症作用を併せ持つ薬剤であり、現在まで耐性菌の報告もなく安心して使える薬剤です。

ガイドはすでに10年前から5%BPO製剤を個人輸入という形で入手しニキビ、特に赤ニキビの多い患者さんの治療に積極的に取り入れていました。保険適応になったことで、処方しやすくなったことはとても喜ばしいことです。

次のページでは、2015年発売になったもうひとつの新薬についてお話しいたします。


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