ニキビの保険治療に新薬登場
できたニキビを一刻も早く治したい! そう思うのは誰もが同じ。前回の記事では、ニキビを治す一番良い方法は「病院での的確な診断と治療を受けること」とお伝えしました。今回はニキビに悩む患者さんに朗報、保険診療でより早く確実に治すことができる新薬のご紹介です。
これまで一般的だったのはディフェリンゲル
2015年、画期的なニキビ治療の外用薬が2種類も出ています。すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。これまでは2008年に出た一般名「ディフェリンゲル」、薬剤名「アダパレン」が保険の効く薬剤の中で最も新しいものでした。“かくれニキビ”といわれる白ニキビの治療薬として、角栓と呼ばれる毛穴の入口の固いつまりを改善し“かくれニキビ”の正体であるコメド(皮脂詰まり)を出しやすくする薬として処方されていました。2008年の発売当初は画期的な保険薬として話題になりました。発売されて8年が経ちますが、現在でもニキビの治療薬兼予防薬として数多く使われています。
アクネ菌殺菌作用の新薬とは?
ディフェリンゲルの登場以降、画期的な新薬の発売がなかった保険診療でのニキビ治療ですが、2015年は立て続けに新薬が発売になった年でした。まず4月に発売された新薬は、日本初の過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide: 以下、BPO)を有効成分とする尋常性ざ瘡治療薬、一般名「ベピオゲル2.5%」。BPOは海外では10年以上前からニキビ薬としてメジャーなものでした。
日本のニキビ治療では、アクネ菌の増殖を抑えるために外用および内服にて抗生物質が用いられていますが、長期使用により効果がなくなったり弱くなることが懸念されています。すでに欧米、アジア各国ではニキビの患者さんから薬剤が効きにくい耐性菌の出現が報告されているようです。
一方、BPO製剤にも抗菌効果はあるものの、将来懸念される耐性菌増加の問題を回避できる薬剤です。その点からも「ベピオゲル」は、「ディフェリンゲル」を上回る効果が期待できる薬剤と言えます。
次のページでは、待望の新薬についてお話しいたします。