山田洋次監督作で実力をいかんなく発揮!
『母と暮せば』(2015年12月12日公開)
吉永小百合も二宮の演技を絶賛していました
山田洋次監督の新作は、井上ひさしさんが長崎を舞台にした物語として準備していた「母と暮せば」を引き継いだ作品です。吉永小百合と二宮和也の共演ということでも話題。母と息子役とはいえ、息子は亡霊。でも、この亡霊役の二宮和也が良いのです。
重要な役ですが、亡霊ゆえに存在感が微妙なのに、その微妙なラインをうまく歩んでいます。コミカルな会話で笑わせながらも、一瞬にして命を奪われた悔しさや苦しさを含んで。ときどきちょっとブラックユーモア的なところもあり、観客をクスリと笑わせますが、同時に切ない気持ちにさせるのですよ。
二宮和也は柔軟な役者であり、役に対して人懐っこいので、どんな役でもスっと懐に入って行ける。それが彼の強み。二宮の本領が発揮されている映画です。
監督:山田洋次 出演:吉永小百合、二宮和也、黒木華、加藤健一、浅野忠信ほか(C)2015「母と暮せば」製作委員会
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