それぞれに人間くさく、魅力的な登場人物たちの物語『シカゴ』
『シカゴ』
「はい、シャーロットさんの親戚の方、日本の記者の皆さんと一緒に“応援団の一人”として、ドキドキワクワクの空気の中で拝見しました。シャーロットさんは緊張もされていたと思いますが、舞台ではすごくのびのびされてロキシーそのもの。大きな夢を掴まれた瞬間に立ち会い、とても勇気をもらいました。これまで私も何度も“初日”というものを迎えてきましたが、私を応援してくださる方々もこういう風に手に汗を握ってご覧になるのだなあと実感できましたし、この舞台に挑戦させていただけるのだ、と心からの感謝を覚えました。アムラ・フェイ・ライトさん(注・今回の来日公演で湖月さんの出演回以外の公演に出演)も貫禄のある素晴らしいヴェルマで、楽屋にご挨拶に行ってもとてもあたたかく包んでくださったんです。舞台上でも、たくさん学ばせていただきたいと思っています」
――現地ではリハーサルもなさいましたか?
「はい、休演日にピアニストの方にもついていただいて、『シカゴ』のセットの上で稽古をさせていただけました。私は劇場には神様がいると思っていて、どの劇場でも“よろしくお願いします”とお話するのですが、『シカゴ』が何年もの間、毎日上演されている舞台に立たせていただくことで、『シカゴ』の一員として“日本で演じる私を見守ってください”とご挨拶でき、自分の中で勇気の源になっています」
――『シカゴ』は女囚たちの“不道徳”なお話であるにも関わらず世界的な人気を誇る不思議な作品ですが、湖月さんはどんな物語として捉えていらっしゃいますか?
『シカゴ』2014年宝塚歌劇OGバージョン 撮影:宮川舞子/引地信彦
太い幹のある素敵な人であるいっぽうで、ロキシーに靴をとられちゃったりと抜けている部分もあって、どこかにくめない面もある。彼女をはじめ、キャラクターの一人一人が人間くさくて、“いるいる、こういう人”と思えるのが、本作が愛される理由なのかなと思いますね。“人間ってこうだよね、でもいいじゃない、楽しかったら”というのがアメリカ的でもあって。
『シカゴ』2014年宝塚歌劇OGバージョン 撮影:宮川舞子/引地信彦
*『シカゴ』トーク、さらに続きます!踊ってみて初めて分かる「フォッシー・スタイル」の奥深さとは?