食育/食卓でできる子育て

よく噛んで食べる子ほど勉強やスポーツが上達する理由(2ページ目)

ごはんをよく噛んで食べる子供ほど、学習への集中力やスポーツへの意欲が高いという事が判明しました。

浜田 峰子

執筆者:浜田 峰子

食育ガイド

 よく噛んで食べることのさまざまな効果

筆者は食育料理教室を主宰しているので、「どうやったら子供がよく噛んで食べてくれるのか?」と相談を受けることもしばしば。よく噛むことは、子どもの成長や発育にさまざまな良い効果があると分かっていても「ちゃんと噛みなさい!」という押しつけでは子供に伝わりにくいものです。そういう時には、まず親御さんが子供の目の前で左右バランスよく噛んで見せましょう。百聞は一見にしかず。子供はすぐにできるようになりますよ。

学校食事研究会がよく噛んで食べる事の効果をわかりやすい標語にまとめています。「ひみこの歯がいーぜ」です。語呂がいいので、子供にも効果が分かりやすいものです。ぜひ、親子一緒に標語を見ながらよく噛んで食べる事の意味を知りましょう。

■ひ:肥満を防ぐ
よく噛んで食べることは、食べ過ぎを防ぎ肥満防止につながります。よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。 よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります。

■み:味覚の発達
よく噛むと、食べ物の形や固さを感じることができ、味がよくわかるようになるなど味覚が発達します。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。

■こ:言葉の発達
よく噛んで口の周りの筋肉をよく使うと、あごの発達を助け、表情が豊かになったり、歯並びがよくなり、言葉の発音がきれいになります。元気な顔と笑顔は、かけがえのない財産です。

■の:脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します。あごを開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り活性化し、子供は脳が発達し知育を助けます。

■は:歯の病気予防
よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液には食べ物のカスや細菌を洗い流す作用もあり、むし歯や歯肉炎の予防につながります。

■が:がんの予防
唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素が、食品の発ガン性を抑えるので、ガンの予防につながります。それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的ということが分かっており、目安として、ひと口で30回以上噛みましょうと言われます。よく噛むことで、将来的ながんリスクの予防につながります。

■い:胃腸の働きを促進
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出て消化を助け、食べ過ぎを防ぎ、胃腸の働きを活発にします。食べ物がきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです。

■ぜ:全身の体力向上と全力投球
身体が活発になり、力いっぱい学習やスポーツに集中できます。「ここ一番」の力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません。よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます。

【参考引用文献】
※8020推進財団「20歳になっても20本以上自分の歯を保とう」噛む8大効用
よく噛むこと、それだけで人間の身体にこんなにもたくさんの効用をもたらします。子供の意欲を高め、健康的な将来のためにも、ぜひ皆さんもご家庭で、子供によく噛んで食べる習慣を身につけさせるようにしましょう!
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