子どもは離婚に「巻き込まれる」立場にある
何もできない子どもは、親の離婚に「巻き込まれる」立場にある
ここで考えなければならないのは、親の離婚に子どもが「巻き込まれる」ということ。離婚というと当事者が一番大変だと思うかもしれませんが、実は子どもたちも悩んだり傷ついたりしているのです。
離婚を決意した親は子どもに「離婚をする」と報告をします。でも、その時点では子どもたちはちゃんとわかっています。親の不仲を敏感にキャッチして、知っていて黙っているのです。気持ちの強い子どもは「離婚なんて珍しくない。クラスの中にも親が離婚したヤツがいるし」などと思っていますが、実はかなりショックを受けています。
でも、子どもの気持ちはちょっと考えてみればわかるはずです。両親が喧嘩ばかりしていれば嫌でもわかります。家庭の中に妙に重苦しい空気が漂っていたり、会話や笑い声のない食卓だったり、父親が帰ってこなくなったりすれば、「おかしいな」とわかるはずです。でも、肝心の親のほうが自分のことで精一杯になって、子どもをないがしろにしてしまうことが多いのです。
子どもが親に不信感を持つ瞬間
親の離婚でショックを受けている中で、さらに親に不信感を抱いてしまうこともあります。その一例が親の「嘘」です。たとえば、母親が弁護士に「夫に暴力をふるわれた」と言ったとしましょう。これが真実ならまだいいのですが、離婚を優位に進めるために誇張したり、場合によっては嘘を言うこともあります。そうすると子どもは親に対して怒りますし、同時に不信感を持つことになります。
子どもが傷つく言葉「捨てられた」
父親でも母親でも、子どもに「お父さん(お母さん)に好きな人ができた。だから、捨てられちゃうんだよね」と言うことがあります。これは子どもとの絆を深めたくて言ってしまうのですが、「捨てられる」は絶対に言ってはいけません。いくら離婚をするといっても子どもからすれば血のつながった親なのですから、それを否定するかのような言葉はNGです。
同じように相手の悪口も子どもを傷つけます。子どもはお父さんもお母さんも好きなのだから、その人のことを嫌いだとわかるような言葉は子どもの心に深い傷を残してしまいます。
「あなたはお父さんにそっくり!」
離婚をするタイミングでイライラしていることもあるのでしょう。二言目には「あなたはお父さん(お母さん)にそっくり!」と言ってしまうこともあると思います。でも、日頃から悪口を言っている人に似ていると言われた子どもはどんな気持ちになるのか、想像は難くないはずです。いくら辛いといっても離婚は避けられるのであれば避けたいものです。子供達は親を選ぶことができないので、諦めるしかありません。子どもだから大丈夫と思っていても、それは大人になってからも尾を引くことになりかねません。
人を愛してもある日突然それが幻だったと思うのは嫌だ!
裏切られるのが怖い……
人を信じられない……
そういう心の問題を抱えることになりやすいので、離婚をする際には十分な配慮が必要になると思います。
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