ママが「離婚」を考えるとき

悩むママ

気にかかるのは子どもの存在。子どもの笑顔を守るためにはどうすればいいのでしょう。


今や珍しくなくなりましたが、離婚は人生においてとても大きな選択です。小さな子どもがいるならなおさら。

両親揃っていたほうがいいのではないか、年老いた親に心配をかけてしまう、離婚したからといって食べていけるのか、そもそも夫が離婚に同意するかもわからない、かといって、今の生活を続けるのも……。離婚のメリットとデメリットを天秤にかけて、ぐるぐる考え続けている人もいるかもしれません。

結婚生活の中で「離婚」の2文字が浮かんだとき、何をどこから考えればいいのでしょうか?


緊急性が高い時

家族の安全が脅かされている時、もっと具体的に言えば、暴力を振るわれて自分や子どもが「殺される」と思った時は、直ちに逃げましょう。そんなこと滅多にないと思うかもしれませんが、全女性の20人に1人が、夫や恋人など親密な関係の相手から「命を脅かすほどの暴力」を受けた経験があるという内閣府の調査結果があります。また、3~4日に1人の女性がDVで命を落としています。今の日本での話です。

DVも虐待も徐々にエスカレートしていくことが多いので、そんな事態になる前に逃げる準備ができているといいのですが、着の身着のままでも大丈夫ですので、警察に駆け込みましょう。警察は24時間営業ですし、加害者を逮捕することもできます。後のことは、安全を確保してから考えればよいのです。裁判所から加害者に接近禁止や自宅からの退去命令を出してもらうこともできます。

警察に行くかどうか迷う時の基準は「赤の他人からされたらどうするか」です。なお、なるべく子どもは連れて逃げましょう。どんな事情があるにせよ、子どもは「ママに捨てられた」と思ってしまうものですし、危険な状態になっている夫と再度接触し、交渉しなければならなくなるので、子どもを後で取り戻すのはとても大変です。

それほどの暴力を妻や子どもに振るった男性が、改心して「よき父よき夫」に変わることは、ほとんどありません。時たまメディアに取り上げられるのは、それが「奇跡的」なことだからです。


緊急性はそれほど高くない場合

怪我をするほどではないが日常的に叩かれている、暴言を浴びせられている、生活費を入れてもらえない、ギャンブルや酒での借金がある、セックスを強要される、子どもに理不尽に当たる、等、DVには色々な種類があります。夫の帰宅時間が近づくと息苦しくなったり緊張したりする時は、DVの可能性が高いようです。

「もう我慢できない」と離婚を考え始めた場合は、まずは別居に向けて準備を始めましょう。

家の中のことだからと誰にも相談していない人も多いですが、これまでのことや今の状況などを、味方になってくれそうな人の耳に入れておきましょう。それが今後の母子の命綱になります。

また、配偶者暴力相談支援センターや自治体の女性相談を利用しましょう。無料の電話相談もあります。専門家に話すことによって、今置かれている状況を整理できたり、具体的にどんな準備が必要なのかが見えてくると思います。

DVや離婚に関する本を読むのもいいですね。離婚の手続きがどのように進んで行くのかや、養育費の目安や年金分割について知っておくのも大切なことです。

妻へのDVだけで、子どもへの暴力はない場合「子どもから父親を奪うことになる」と悩む人も多いですが、暴力を振るう父親など、いない方がマシです。家庭の中に暴力があることは、子どもの心に大きな傷を残すからです。

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夫婦関係が悪い時

暴力があるわけではない。夫への気持ちは冷めきっているけれど、積極的に離婚したい気持ちがあるわけではない。モヤモヤする気持ちをやり過ごしたり、日々の生活に追われる中でいつの間にか忘れてしまっているけれど、ふとした時に「離婚」という選択肢が頭を過ぎる、という人もいるのではないかと思います。

明確な理由がないだけに、周りに相談などしていないかもしれません。それでも強く離婚したいと思う時は、夫への気持ちが冷めた理由をもう一度見つめ直してみてはどうでしょう。おそらく今に始まったものではない夫婦関係の問題が背景にあるのではないでしょうか。「こんなことくらい我慢しなくては」と飲み下したはずの不満が1滴1滴溜まっていって、グラスからあふれそうになっているのが今の状態、というのはよくあることです。

子育ての大変な時期に何の協力も得られなかった。それどころか……といった夫への不満や不信感が、時を経て、別の理由、たとえば「義両親に耐えられない」「他に好きな人ができた」といった「離婚の動機」に変化していくことも少なくありません。

「今更言ってもね」と思うことが、案外夫婦の中心課題だったりしますので、心当たりがある人は話し合いを試みてもいいのではないでしょうか。「離婚をつきつければ、変わってくれるかもしれない」と思うのは、まだ夫に期待があるということなので、離婚するにはまだ早いかもしれません。


「子どものために」が見えなくさせるもの

ただでさえ面倒くさくて大変な離婚。子どもがいると、余計に離婚のハードルは上がります。「子どものために」どうすればベターなのかを考えると、自分が我慢すればいいのではないか。子どもが大きくなるまで現状維持でいいのではないか。そう考えるママも多いようです。

それもひとつの選択です。何が正解かは誰にもわかりません。

ただ、「子どものために離婚しない」というのが、自分を変えない言い訳になっていないかどうかは、一度考えてみましょう。子どものいる女性が離婚を思いとどまる一番の理由は「経済的な不安」ですが、その不安を解消するために、何か努力をしているでしょうか。生活の質を落とすことへの抵抗を「子どものため」という言葉でごまかしていないでしょうか。

「子どものために離婚しない」という選択をする時、ママ自身は結婚生活に幸せを感じられていません。でも、離婚したからといって、必ず幸せになれるわけでもありません。だから悩むわけですが、子どものためを思うがゆえの選択であっても、子どもに向かって「あなた(子ども)がいたから離婚できなかった」と言うのは厳禁だと思っておきましょう。自分の母親が自分のために不幸なのだと思うのは、自分の存在自体を否定されたと感じるほどつらいものです。「生まれてこなければよかった」と思うような罪悪感は持たせないようにしましょう。

漠然と現状への不満を募らせているのなら、動いてみるのも方法です。仕事を始めたり、アパートを探したり、離婚や別居に向けて(ひそかに)動き始めたら、現実的な問題がどこにあるかが見えてきて、対処方法も見つかるかもしれません。離婚するにせよしないにせよ、大人として親として、自分の幸せの責任は、自分で取るしかないのです。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。