DVは子どもに大きな影響を与える問題

泣いている子ども

    写真はイメージです

DVは「夫婦間の問題」だと思っていませんか? でも、子どもにとっては「両親間の暴力の問題」。決して無関係ではなく、今も多くの子どもたちが家庭の中で、日々暴力にさらされながら育っています。

11月は、DV防止推進月間であり、児童虐待防止推進月間でもあります。DVと虐待は、密接に関わり合っているのです。

内閣府の男女間における暴力に関する調査報告書(2012.4)によると、

3人に1人の女性が、パートナーからDVを受けた経験があり、
10人に1人の女性が、継続的にDVを受けており、
20人に1人の女性が、命に危険を感じるほどのDVを受けたことがある、とのことです。

女性から男性へのDVもあります。しかし、9割以上の被害者は女性です。また、体格差や経済的に自立することの難しさなどから、女性が受ける被害の方が深刻なものになりやすいという現状があります。

子どもがいる家庭の場合、子どもはDV被害に否応なく巻き込まれます。当然、暴力の影響は、子どもにも及びます。

DVの本質は「支配とコントロール」

DVというと「身体を傷つける暴力」をイメージする方が多いかもしれません。しかし、心や、人としての尊厳を傷つけることも「暴力」です。

DVにはいくつかの種類があり、多くの場合、複数の種類の暴力が組み合わされています。身体的な暴力は、他の暴力を使ってもパートナーが思い通りにならなかった時に、最終手段(見せしめ)として行われることが多いようです。舌打ちや眉毛の動かし方ひとつで、相手を支配しコントロールできるのであれば、身体的な暴力は必要ないからです。DVの本質は「支配とコントロール」なのです。

「夫が帰ってくる時間になると、今日の機嫌はどうだろうかと心配になり、緊張する」「文句を言われるのではないかと、いつもビクビクしている」というのは、DVを受けているサインです。このような親の態度からも、子どもたちは両親の不均等な力関係を感じ取り「暴力を学習」していきます。

子どもに影響を与えるのは、身体的暴力の恐怖だけではありません。さまざまな暴力によって生じる夫婦の関係性(力関係)のあり方を学習させてしまうことも大きな問題なのです。

以下に心当たりがないかどうか、チェックしてみましょう。1つでも思い当たることがあるようであれば、要注意です。


・社会的暴力(行動の制限)
実家に行かせない、許可なしに行動させない、1日の行動を細かく報告させる

・精神的暴力
人前で侮辱する、脅して言う通りにさせる、何時間も叱責する、舌打ちしてにらむ、無視する等

・経済的暴力
生活費を入れない、働かせない、借金を背負わせる、レシートを細かくチェックする等

・子どもを利用した暴力
子どもを危険な目にあわせる、子どもを傷つけるとほのめかす、子どもを取りあげると脅す等

・性的暴力
むりやりセックスする、むりやりポルノを見せる、避妊に協力しない等

・身体的暴力
殴る、蹴る、叩く、物を投げつける、首を絞める、煙草の火を押しつける、眠らせない等


DVは、「緊張蓄積期(イライラがたまっていく)」→「暴力爆発期」→「解放期(謝ったり、優しく接したりする/解放期がない場合もあります)」といったサイクルを繰り返しながら、次第にエスカレートしていきます。

しかし、これは病気でも、火山の噴火のような自然現象でもありません。DV加害者は、暴力をふるう相手や場所を「選んでいる」からです。結婚、妊娠、出産などで、女性が逃げ出しにくい状況になった時に、DVが始まったり、急激にエスカレートすることは少なくありません。


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