どこまで踏み込んでいいのかわからない

悩む女性

DVは身近な暴力被害です

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、夫婦や恋人など、親密な関係性の中で起こる暴力のことを言います。女性の3人に1人がなんらかのDVを受けたことがあり、10人に1人が継続して何度も暴力を受けていると言われています。

DVは夫婦間の問題だと思われがちですが、子どものクラスの何人かは、今まさに、DVのある家庭で育っています。子どもが守られ大切に育まれるべき家庭の中で、日々暴力にさらされているのです。

友人の顔や体に不自然なアザを見つけた。急につきあいが悪くなった。パートナーの意向を気にする言動が気になる、など、友人のふとした変化に、「もしかしてDV?」と感じてしまうことがあるかもしれません。あるいは、何気ない会話の中で、DV被害を打ち明けられることもあるかもしれません。

家庭内の問題、しかも暴力被害となると、どのように対応すればいいのかわからない。力になってあげたいけれど、専門家でもないし、どこまで踏み込んでいいのかわからない……。と、戸惑うのも無理はありません。

でも、暴力の中を生きているママと子どものために、友人だからこそできる支援があるのです。

気づかないフリをしない

DV被害者は、暴力が明るみに出ないよう過剰な束縛や脅迫によって周囲から孤立させられています。ですから、「どうしたの? 何かあった?」このひとことが、彼女を孤独から救います。

首を絞められた跡や、顔などの見えるところにできているアザは、DVが日常化し、エスカレートしているサインです。子どもにも影響が及んでいる可能性も非常に高いでしょう。見て見ぬふりをしないで「どうしたの?」と、声をかけましょう。

声をかけたとしても、すぐに被害をカミングアウトされることはあまりないと思います。でも、声をかけることで、彼女や彼女の子どもに対し「周囲は無関心ではない」というメッセージを伝えることができます。

相談されたら、否定せずに聴く。ジャッジ(評価)しない

DV加害者というと、どういう男性を思い浮かべるでしょうか。普段からトラブルを起こしがちな粗暴な人、というイメージでしょうか。そういう人もいます。でも、人あたりがよく、腰が低いDV加害者も多いのです。学歴、職業、年収、社会的地位などは関係しません。中には、地域の中で「人格者」として尊敬を集めている人さえいます。

ですから、被害を打ち明けられても、すぐには信じがたいこともあるでしょう。しかし、それは心の中に留めて、彼女が語ることを否定せずに聴くことが大切です。

そして「殴られても仕方がない」「これくらいはマシな方」などと、自分の基準でジャッジ(評価)しないことが大切です。

DVは家庭内のデリケートな問題ですから、誰にでも気軽に相談できるものではありません。ですから、DV被害を打ち明けられたということは「この人なら、わかってくれるかも」と、周囲の友人たちの中で、最も信頼されていると考えて下さい。

たいしたことはできなくて当然です。無理して関わる必要もありません。でも「(できる範囲で)力になりたいと思っている」ということは伝えてあげられるといいかもしれません。その言葉そのものが、彼女と子どもへの「支援」になるからです。

過酷な状況の中、がんばって子育てしてきたことをねぎらい、「あなたは悪くないよ」と言ってあげられるといいですね。どんな理由があったにせよ、暴力は振るう側が悪いのですから。

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