秩父のパワースポット、秩父神社
埼玉県北西部の秩父地方のパワースポットとして人気が高い、秩父三社。深い山々に神が棲むといわれる「三峯神社」、日本武尊と山犬の伝説が残る「宝登山神社」は、山を背景に社殿を構え神秘的です。残りの一社、「秩父神社」は秩父市の中心市街地にあり、ここにも新年には各々の願いを胸に秘めた人々で賑います。堂々とした風格をみなぎらせる徳川家康寄進の本殿
秩父神社が造営されたのは平安時代初期の典籍の記述から、3世紀または4世紀にさかのぼると推定されています。創建以来、知知夫国の総鎮守として地域の人々の篤い信仰を受け続けてきました。当初の建造物は焼失し、現存する社殿は1592年に、徳川家康が寄進したものです。江戸時代初期の特徴的な建築様式が細部にまで活かされ、堂々とした風格をみなぎらせています。秩父神社のご利益と「水占い」などのおみくじやハート形の絵馬、御朱印
家内安全、商売繁盛、交通安全、合格祈願などのご利益が期待できる秩父神社のグッズはバラエティー豊富です。おみくじの中には、巻物になっているおみくじを境内に引かれた武甲山の源流水に浸すと文字が浮き上がるユニークな「水占いみくじ」があります。 絵馬にも神社本殿の壁面の彫刻が描かれたものの他に、ハート型の「願い叶う」絵馬も人あり、恋愛成就を願う人に人気があります。少し待ち時間が必要ですが、御朱印をもらっておくと思い出作りに役立つでしょう。
本殿正面の壁に描かれる左甚五郎作の「子宝・子育ての虎」
本殿での参拝やグッズの購入がメインの目的となるものですが、秩父神社で見逃せないのは本殿を囲む装飾です。本殿正面の上を見上げると、今にも動き出しそうな虎の姿が描かれています。躍動感が滲み出る「子宝・子育ての虎」は、日光東照宮の「眠り猫」を作ったと伝わる江戸時代の伝説的彫刻家、左甚五郎によるものです。本殿東壁面に刻まれた左甚五郎作の「つなぎの龍」
次に本殿東側に周ると、鎖でつながれた青い竜が刻まれています。これも左甚五郎作と伝わる「つなぎの龍」です。社殿の表鬼門の位置が鎖で封じられていることから、自宅の玄関や神棚に置けば、鬼門守護のご利益が期待できるといわれています。本殿北壁面で首をひねる「北晨の梟」
そして本殿北側には、体は南を向いているのに、顔は180度逆の北を向いている梟が彫刻されています。「北晨の梟」は首をひねって智恵の神様、八意思兼命を見守っているとされています。学業のシンボルとして受験生に人気があります。本殿西壁面から飛び出してきそうな「お元気三猿」
さらに西側の壁面からは三匹の猿が飛び出してきそうです。「お元気三猿」と呼び親しまれている猿たちは、日光の東照宮の「見ざる、聞かざる、言わざる」とは全く異なる表情をしており、「よく見・よく聞いて・よく話そう」という姿勢を表現しているようです。ユニークな姿の猿の姿を眺めていると、どのような悩みごとも吹っ飛んでしまいそうです。新年には境内からはみ出す初詣客
新年には県内外から大勢の人々が初詣に訪れます。最寄りの秩父鉄道秩父駅から神社には人波が途絶えることはありません。 露店が取り囲む下境内を行列の流れに従って進み、神門を潜れば正面に本殿が見えます。境内の中央に敷かれた石畳の道を前に進み参拝をします。正月3が日は、待ち時間が2時間を超えることも珍しくありません。
境内が人で埋め尽くされる秩父夜祭/12月開催
新年には数多くの初詣客で溢れる秩父神社ですが、それをはるかに凌ぐ人々がつめかけるのが、毎年、12月2日、3日に開催される秩父夜祭です。 300年を超える歴史を刻む神社の例大祭は、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。御神幸行列が神社を出発する直前の境内は人で埋め尽くされ隙間はどこにも見当たりません。関連記事:秩父夜祭の見どころは?無形文化遺産に登録された祭り
アニメ「あの花」の聖地巡礼のために訪れる人も
厳かな歴史感が漲る秩父神社ですが、2010年代から新たな目的で訪れる人が増えつつあります。アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の中には秩父市内の光景が登場します。
第2話他では神社名が切れた石塔が現れます。この石塔を中心に視野範囲を広げると、秩父神社の鳥居が浮かび上がってきます。関連記事:「あの花」の舞台になった秩父の聖地巡礼スポット
■秩父神社
住所:埼玉県秩父市番場町1-3
TEL:0494-22-0262
アクセス:秩父鉄道の秩父駅より徒歩約3分
ホームページ:http://www.chichibu-jinja.or.jp/
地図:Googleマップ
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