多彩なランチメニュー 昼限定「うな丼」は限定30食
うなぎ久保田の開店時間は11時です。この日は11時半少し前に店に到着。店頭には、ランチ用のサービスメニューの看板が出ています。この日のお目当てはこの昼限定の「うな丼」(1450円)です。店に入ると、正面に会計場所、左手にテーブル席、右手は2階の座敷席へと続く階段が確認できます。早い時間の訪問だったことからこの日は、1階のテーブル席に腰を落ち着けます。店内は少し抑えめの照明で、落ち着いた大人の空間でしょうか。予定通りうな丼をオーダーし、待っている間、同店のメニューを眺めます。うなぎ店は、価格帯がいくつかある「うな丼」や「うな重」のみというシンプルな店もありますが、久保田のメニューは多彩です。「鳥の照り焼き丼」(1000円)、「親子丼」(900円)、「玉子丼」(800円)のほか、「刺身定食」(2300円)、「柳川なべ定食」(2000円)、うなぎの「白焼き定食」(3300円)、「うな茶漬け」(1400円)なども。使用する卵にこだわりがある関係で、親子丼や柳川など玉子系のメニューが多いのも特徴です。
いろいろ試してみたい料理を想像していると、うな丼が運ばれてきます。「お、結構うなぎが大きい!」というのが第一印象です。早速いただきますが、外側はうなぎの弾力とタレの香ばしさ、そして内側は関東風の蒸す工程を感じる柔らかさ。白米も柔らかすぎず個人的に好きなタイプです。焼き色もいいですね。同店のうなぎは主に九州産の国内養殖ものを使用。汲み上げた井戸水で1~2日間身を引き締めた後、当日使用する分を捌いています。
同店の「上うな重」
ちなみに会計はテーブルに置かれた番号札が伝票代わりです。札を持って会計場所に行くと、和服姿の女将が座っています。これだけでも空間が凛と締りますね。
こだわりのお新香、気遣いを感じる接客
ランチタイムど真ん中の店の様子は……という興味から、別の日に12時台に伺ってみます。が、予想通りの“盛況”具合で1階は満席。2階の座敷席へと通されます。近隣のビジネスマンやご婦人らが中心客ですが、中にはかなり常連と思しき方もいらっしゃいますね。同店ではこれまで、女性店員が客を気遣い、言葉をかけるシーンを多々見受けました。わたし自身にも優しい言葉をかけてくれたこともあり、接客については非常に気持ちのいい印象が残っています。今回のオーダーは、前回訪問時に気になっていた「白焼きなべ定食」(2200円)を。うなぎの白焼きは食事というより、お酒を飲む際に、ワサビ醤油でいただくおつまみの印象が強かったのですが、ランチメニューで、しかも“鍋”です。自然と期待値も上がります。
運ばれてきた内容は、陶器の上でまだグツグツ煮立った状態の白焼きなべ、ご飯、お新香、お吸い物です。鍋自体深さはなく、白焼きは水菜とともに玉子でとじられています。鍋をつつくと、すぐに白焼きが顔を出し、半熟の玉子、水菜とともにいただきます。熱々ですが、口に放り込むと優しい出汁を感じます。そして白飯をかきこむ……ご飯も進みますが、酒のお供としても有効な一品ですね。
卵もそうですが、脇を固めるお新香もこだわりがある同店。店の地下には創業以来使い続けている(100年超えの)糠床があります。味、見た目とも抜かりがないですね。汁気の少ない鍋なので、時折お吸い物で口の中をリセットしながらスイスイ食べ進め、あっという間に完食を。
蒲焼のようにタレの味によるごまかしがきかない品といわれているうなぎの白焼き。この日は白焼きにはこういう食べ方もあるんだ、という気づきをいただいたランチタイムに。川魚問屋が営業を行う老舗うなぎ店で、ランチはいかがでしょうか?
■うなぎ久保田
・住所:東京都千代田区外神田5-6-9
・TEL:03-3831-6082
・営業時間:11:00~21:00
・定休日:日曜・祝日
・地図:Yahoo! 地図情報