テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドのたのしいプロテスト(6ページ目)

平成二十七年十二月九日、アーバンギャルドが放つ問題作『昭和九十年』! 松永天馬、浜崎容子、瀬々信、おおくぼけい…メンバー全員が一体となって、トラウマテクノポップの枠には収まらない「殺せない言葉」と「ひしめき合うサウンド」が響くコンセプト・アルバムが出来ました。メンバーに登場していていただき、その想いを語ってもらいました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

何を信じていいか?

ガイド:
ラストを飾る「オールダウトニッポン」 を聴いていて感じたことがあります。既成メディア、ソーシャル、発信源に関わらず、情報は混沌としています。「何を信じていいかわからない」と感じることがあり、同様に感じる人たちも多いかと想像します。そんな時代の中に生まれた歌だと考えますが、何を頼りにしていけばいいと思いますか?

松永:
自分です。自明なことかもしれませんが、SNSで監視されたり監視したりで、そんな当たり前の事実が揺らいでしまう時代でもあるので。ジョージ・オーウェルの『1984年』で描かれた監視社会のディストピアは、インターネットというかたちで或る意味実現してしまった。ネットは便利であると同時に僕ら自身をがんじがらめにしてしまっていることを意識しなければならない。ただメディアや液晶の向こうにいる他者が上っ面の嘘をつきつづけるなら、僕らはそれを凌駕する嘘をつき続けたい。嘘を……フィクションを創造し続けたい。虚業家なる一ミュージシャンの想いです。
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「くちびるデモクラシー」のPVより


アルバムの世界観を表現したクリスマスホールライヴ

ガイド:
11月は全国ツアー中、12月には東京・大阪でクリスマスホールライヴとなりますが、最後に皆さんにメッセージをお願いします。

松永:
全国ツアーはアルバムリリース前の予告編的な内容で全国をまわらせて頂きました。そして東京・大阪で十二月に開催するホールライヴ「昭和九十年十二月」は、アルバム収録曲を演奏するだけでなく、その世界観を様々なかたちで表現した一夜だけのライヴになる予定です。この日しか演奏しない演目もあるでしょう。是非ともおいで下さいね。

おおくぼ:
わたくしもそうなんですが、ライヴらしいライヴのノリって苦手という方も多いと思います。ホールライヴでは所謂バンドらしいライヴ表現に囚われないアーバンギャルドを観ることができます。普段のライヴのノリについていけないなんて方にも是非観に来ていただきたいですね。勿論いつも通りライヴで盛り上がりたいって方も楽しんでいただけますよ!

瀬々:
ライヴハウスでないホールという空間でアルバムの世界観を表現をしますので、いつもと違う特別なアーバンギャルドを皆様にお届け出来ると思います。一度しかできないステージになると思いますので楽しみにしていて下さい!

浜崎:
コンセプトアルバムを引っ提げての、しかも世界観を完全再現というアーバンギャルド史上初めての試みですので、どうなるのか私たちにも全く予想が出来ないのですが、通常のような盛り上がるライヴも、コンセプトに沿った演劇的なライヴも、どちらもやっていけるのがアーバンギャルドの面白みだと感じております。スペシャルな夜になること間違いなしです。

アーバンギャルド 2015 XMAS SPECIAL HALL LIVE「昭和九十年十二月」 (アーバンギャルド公式Blog)
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