安易に不正アクセスしてしまう10代は多い。正しい知識を身に付けさせる必要がある
若年齢層で多い不正アクセス法違反
2015年3月、警察庁は2014年中の不正アクセス行為の発生状況について発表しました。それによると不正アクセス件数は増加傾向にあります。不正アクセス禁止法違反の被疑者を年代別に見ていくと、10代が最多であり、続いて30代、20代、40代、50代、60代の順となっています。なお、14歳未満の不正アクセス禁止法違反で補導された少年も8名いました。また、IPA(情報処理推進機構)の「2014年度情報セキュリティに対する意識調査」(2015年4月)によると、若年層およびパソコンの習熟度が低い利用者は、パスワードに誕生日などの推測されやすいものを避けたり、分かりにくい文字列に設定している割合が低くなっていました。つまり、セキュリティ意識が著しく低いということになります。
さらに、他人のIDを使ったインターネット上のサービス利用」に関する調査では、「親や友人」「知り合い」「全く知らない他人」それぞれのアカウントに推測等でログインできたと仮定し、サービスを利用する可能性があるか否かを質問。「すると思う」「やや思う」「どちらともいえない」の合計値が前回調査より増加し、全体で1割を上回りました。中でも、20代は全項目で利用の可能性が全体と比べて高くなっています。
つまり、10~20代の若年齢層はセキュリティ意識が甘く、不正アクセスを悪いことと思わず、気軽に違反してしまう傾向にあるのです。
10代がやりがちな不正アクセスの種類とは
不正アクセスの動機は、「不正に経済的利益を得るため」が最多ですが、若年齢層になると、「オンラインゲームやコミュニティサイトで不正操作を行うため」「嫌がらせや仕返しのため」も目立ちます。特に10代は、「○○さんが持つ仮想アイテムがほしい」とゲームに不正アクセスしたり、「××さんのブログやSNSなどを書き換えたい(消去したい)」などと嫌がらせ目的ですることが多いのです。
10代など若年齢層が安易に不正に手を染めないようにするには、正しい知識を教える必要があります。不正アクセスは法律で禁止されており、違反すると罰せられること、仮想アイテムでも他人のものを奪うと罰せられることなどを教えるべきでしょう。