UFO 空飛ぶ円盤 ニテロイ現代美術館/Niteroi Contemporary Art Museum
ブラジルの近代建築の父、オスカー・ニーマイヤー。彼の日本での初回顧展が開催された。(会期:2015年7月18日~2015年10月12日)。前編では、成型合板による官能的な椅子から初期の建築作品、ブラジルの新都市:ブラジリア都市計画での公共建築の数々を堪能してきた。
また、1904年から2012年まで、104年間の彼の足跡を追いながら、建築や家具デザインなど輝かしい実績を観た。しかし、何と言っても「104歳」という長寿と、亡くなる直前迄多くの建築デザインを手がけていることには、恐れ入った。
同じく前編のブラジリアの世界遺産登録の決め手となった都市建築を天井迄届きそうな大きな木構造物(建築模型)でご紹介した。
ブラジリア展示コーナーの奥のニーマイヤーの足跡を追うドキュメンタリー映像コーナーを過ぎるとあの『空飛ぶ円盤 UFO 』が見えてきた。
どう見ても宇宙船、
UFO 空飛ぶ円盤 「建築」は、ニテロイ現代美術館/Niteroi Contemporary Art Museum。
リオデジャネイロ郊外、ニテロイに1996年に建設された美術館である。
どこから見ても宇宙船のように見える建築だが、ニーマイヤー自身は『花のイメージ』でデザインしたと語っている。
「土地が狭く、海に囲まれているので、デザインは自然な形で生まれた。地上から継続して成長し広がるカタチ」を、花に例えてデザインした美しい建築なのだ。
この美術館について、ニーマイヤー自身が語る映像を石川 尚のオフィシャルブログで紹介しているのでご興味にある方はご覧いただきたい。
高さ16メートル、地上4階建てで、赤いスロープを進むと、リオデジャネイロの街を一望する360度パノラマの眺望ある展示室。さらに上がると、アート作品に集中できる展示室。地下には図書保管室のほか、レストランやバーなどがあるプランである。
このコーナーの他の展示は、コンスタンティーヌ大学/University of Constantine (1972年)。1967年から1985年にかけてパリに亡命したニーマイヤーが、かつてフランス領であったアルジェリに長期間滞在し手がけたプロジェクトの一つ。
コーナーを出て左に進むと、今回のメイン展示が広がっている。
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