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LINEだけじゃない!ネットいじめの8分類

ネットいじめはLINEで行われることが多いが、それ以外に匿名掲示板やメール等でいじめられることもある。どのようないじめが行われるのだろうか。ネットいじめの8分類を知り、気付いたら早めの対処が大切だ。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

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ネットいじめは被害が拡大しやすい。早めの対処が重要だ

2015年10月、文部科学省は、平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における「いじめ」に関する調査等結果を発表しました。いじめで自殺した中学生がいじめを訴えていたのに、学校がいじめはないとしたことを問題視。いじめの認知件数の再提出を求めたところ、最初の提出時よりも3万件も増加したのです。

スマートフォンやインターネットによるいじめの件数は7898件と890件減っているものの、本当に減ったのではなく、外からは見えにくいところでいじめられるようになっただけと考えられています。以前ご紹介したとおり、最近のネットいじめは、検索対象などにならず友だち以外は見ることができないLINEで行われることが多いのです。

「LINEいじめはなぜ怖い?いじめの4タイプと防ぎ方」で述べた通り、最近のいじめはLINEで行われることが多いのですが、LINE以外でも行われています。そこで、ネットいじめにおける8つのパターンについてご紹介したいと思います。

ネットいじめの8分類

「『サイバー型いじめ』の理解と対応に関する教育心理学的展望(千里金蘭大学 小野淳・斉藤富由起)」(2008年)によると、ネットいじめは主に以下の8つのパターンに分類されます。

1:フレーミング/挑発行為(敵意的言語表現)…オンライン上で(繰り返し)挑発的、侮蔑的な発言を行うこと


Twitterで繰り返し誹謗中傷をツイートする例などが該当します。

2:ハラスメント/迷惑行為…繰り返し、(特定の)他者に攻撃的なメッセージを送ること

メールやLINEなどで繰り返し悪口を送る例などが当てはまります。匿名やメールアドレスを偽装して送る例も見られます。

3:サイバーストーキング/犯罪行為…ハラスメントがさらに悪質になり、脅迫と考えられる言動に達していたり、現実の具体的な危害が差し迫っている場合、特にサイバーストーキングと呼ぶ

「~しないと暴行する」とLINEやメール等で脅される例などが該当します。

4:デニグレーション/中傷行為…他人を中傷する(時に事実ではない)情報や絵画、加工した写真などを書き込んだり、掲載すること

特定の人物とポルノ写真をコラージュした写真を作ってアップロードしたり、「A子は売春している」「B男は万引きをしている」などの他人を誹謗中傷する書き込みをすることなどが挙げられます。

5:インパーソネーション/なりすまし…被害者になりすまして、他者にネガティブなメッセージを送るなど。被害者のパスワードを盗んで、被害者になりすまし、様々なサイトに被害者が困惑する情報をオンライン上に書き込むなど

他人になりすまして「売春希望」などと掲示板などに書き込んだり、別人になりすましていじめのメッセージを送るなどの例があります。

6:アウティング&トリックリー/個人情報の暴露…アウティングとは知りえた個人情報を、本人の了解なくオンライン上に公開すること。トリックリーとは、個人情報を得るため相手に近づき、個人情報を得た後に、それを了解なくオンライン上に公開すること

他人の電話番号やメールアドレスなどを書き込んで電話やメールが殺到するようにする例などがあります。

7:エクスクルージョンまたはオストラシズム/仲間はずれ…オンライン上のグループから特定個人を無視したり、情報を回さない行為

LINEで一人だけ仲間はずれのグループを作ってトークしたり、一人だけ無視してグループトークをするなどのいじめが行われています。

8:ハッピースラッピング:暴力行為の撮影…個人または集団が見知らぬ相手を不意に襲い、その様子をカメラ付き携帯電話で撮影し、携帯電話で送り合ったりオンライン上に公開すること 


裸など恥ずかしい写真や動画を撮影してLINEグループに投稿したり、あえて匿名掲示板などの不特定多数が見る場に公開する例もあります。

ネットいじめには早い対処が重要

ネットいじめはコピー・保存・拡散が容易であり、被害が拡大しやすいという特徴があります。特に、掲示板など不特定多数が見る場に公開すると、情報が拡散して取り戻せなくなってしまいます。

通常のいじめはもちろん、ネットいじめが起きたら、まずキャプチャなどで証拠を保存しておきましょう。相手が分かっている場合はいじめを解消するよう行動し、分からない場合は掲載された情報を削除した後、書き込んだ相手を特定して解決へと導いていきましょう。

いずれにしても、ネットいじめは放置せず、早めの対処が重要です。未成年の手には追えないケースが多いので、保護者や教員、相談機関などに相談しながら、いじめの解決と同時に、被害の縮小・解消に努めましょう。

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