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時代を彩る「キャッチフレーズ」を楽しもう!(2ページ目)

他のスポーツと同様に、馬が主役の競馬においても「キャッチフレーズ」が存在します。特に、歴史に残る名馬たちには、何十年と時が経っても色あせない”愛称”や“異名”がその馬に付随しているもの。ということで、印象的な名馬たちのキャッチフレーズを紹介します。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド


昭和のファンを熱狂させた、永遠のライバル対決

平成以降の競馬ファンとしては複雑なのですが、昭和の競馬は「名キャッチフレーズ」の宝庫だったと思っています。その代表と言えるのが、テンポイントとトウショウボーイという2頭。この2頭はデビューからずっとライバル関係だったのですが、その2頭に付けられたキャッチフレーズも珠玉のものでした。

まずはテンポイントから。現役時代に活躍した名牝を母に持つこの馬は、美しい栗毛の馬体の持ち主でした。そして、額には「流星」と呼ばれる大きな白い筋がスーッと伸びていたのです。

まさにイケメン。素晴らしい見た目。そこらへんの男性よりも魅力的なことから、やがてテンポイントは「流星の貴公子」と呼ばれるようになったのです。

関西を拠点にデビューから連戦連勝の快進撃を続けた「流星の貴公子」ですが、そのプリンスに立ちはだかるライバルが現れます。それが、関東を拠点に同じく無敗街道を突き進んできたトウショウボーイ。2頭は皐月賞というG1でぶつかりますが、このレースではトウショウボーイがテンポイントを下します。

それから引退まで、2頭が繰り広げた熱戦は数え切れません。今でも「史上最高のライバル関係」と言えるでしょう。そしてこの2頭は、キャッチフレーズにおいても名勝負を繰り広げました。

テンポイントが「流星の貴公子」と呼ばれたのに対し、トウショウボーイに付けられた異名。それは「天馬」でした。

個人的に、競馬史上最高のキャッチフレーズは、この「天馬」だと思っています。理由は、名前や見た目といったわかりやすいものから付けられたわけではないこと。それでいて、ファンに普及し、誰もが知る異名となったこと。もちろん、その馬とのイメージが重ならなければ、こうは行きません。

トウショウボーイは、とにかくスピードを生かして華麗に勝つことが多く、そのイメージと天馬がマッチしたのでしょう。一説には、その走り方が「翼が生えているよう」との理由から付けられたとも言われます。「流星の貴公子」と「天馬」。このキャッチフレーズがあったからこそ、ライバル関係にファンは白熱したのかもしれません。

2000年以降を彩った、オルフェーヴルとディープインパクト

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ディープインパクトに異名を付けたのは、あの天才ジョッキーでした(写真 JRA)

平成に入ってからも、いろいろなキャッチフレーズが名馬に付けられました。たとえば、2010年から2013年にかけてG1を6勝したオルフェーヴル。あるレースではコースを外れる暴走を見せたり、ゴール後に騎手を振り落としたり。激しい気性の持ち主でした。

強さと激しい気性。その2つから、このチャンピオンは「暴君」と呼ばれます。また、こちらも栗毛で金色に見えることから、「金色の暴君」とも言われました。

オルフェーヴルの前に、社会現象を巻き起こしたスターホースといえば、ディープインパクトが挙げられます。こちらは、2004年から2006年にかけてG1を7勝しました。この馬もある異名で知られていますが、それは他の馬のものとは“成り立ち”が違います。

というのも、ディープインパクトとコンビを組んだのは、言わずと知れた武豊騎手。その彼が、ある時にディープインパクトのキャッチフレーズを提案したのです。それが「英雄」。ということで、こちらはよく「英雄ディープインパクト」と言われます。

現在のスターホース2頭にはどんな異名が?

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驚くような急成長で王道を歩むラブリーデイ(写真 JRA)

さて、時代は変わって2015年。11月29日(日)に行われるG1ジャパンカップ(芝2400m/東京競馬場)にも、注目すべき2頭のスターホースが登場します。その馬の名は、ラブリーデイとゴールドシップです。どちらも特徴的な名馬です。

ラブリーデイの特徴は、その急成長ぶり。2012年にデビューして、昨年までは3勝しかあげられなかったのに、今年はすでに6勝。そしてG1を2勝しているのです。関わっているスタッフや騎手も驚くほどの変身を遂げました。
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稀代の個性派ゴールドシップには、どんな愛称がベスト?(写真 JRA)


一方のゴールドシップは、歴戦のベテラン。ここ数年の競馬界を引っ張る存在……なのですが、とにかく個性的。オルフェーヴルと同じ父だけあって、レースではやる気を出さなかったり、その反対にとんでもない戦法で大レースを勝ったり。夏前に出たG1宝塚記念(芝2200m/阪神競馬場)でも、1番人気ながらスタートの瞬間に立ち上がって大出遅れ。15着に負けてしまったのです。

こんなに特徴ある2頭だからこそ、その性格に合った異名がほしい。でも不思議と、まだしっくりくるキャッチフレーズは生まれていません。なかなか難しいものですよね。

ラブリーデイは晩年の天下統一。そして急成長ぶりがポイントでしょうか。ゴールドシップは、「愛すべき問題児」……問題児というのはちょっと聞こえが悪いでしょうか。

ということで、ジャパンカップを見ながらこの2頭のキャッチフレーズを考えてみるのも楽しいかもしれません。レースは、11月29日(日)の15時40分スタート。フジテレビ系での生中継もあります!

(リンク)
ジャパンカップ|出走馬-netkeiba.com
ラブリーデイ|競走馬データ-netkeiba.com
ゴールドシップ|競走馬データ-netkeiba.com


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