オンデマンド印刷も視野に
前のページでは自分用のプリンタの機能をどこまで充実させるべきかという切り口で見てきましたが、もう1つの考え方として自宅のプリンタはシンプルな機能のものを買い、アルバムリーフを作成するときだけ、街の中にある
キンコーズなどのオンデマンド印刷サービスを利用するのも手です。私の場合、自宅では長年モノクロのレーザープリンタを利用してきたので、カラー印刷は専らオンデマンド印刷に頼ることにしていました。PCのレンタルが数百円、カラー出力が50円ほどでしたから、仮に10リーフ分出力するだけであれば、1,000円でお釣りが来ます。インクカートリッジを時々買い足すことを考えれば、安上がりかもしれません。
全部自分で持つか、オンデマンド印刷を使うかも判断。
スキャンの解像度はほとんどが及第点
複合機の場合は、スキャンの性能も一応見ておきたいポイントです。ただ、あまり神経質になる必要はありません。一般的に郵趣雑誌に寄稿したり、切手の新データを報告する場合は、600dpiでスキャンが取れれば事足りますし、重複した切手などをインターネットオークションに出品する際には300dpi程度もあれば充分な画質が確保できることでしょう。基本的には1,200dpiもあれば充分なので、実売10,000円以下の安価な複合機でもこの水準は超えていると思います。
筆者がサブで使用しているブラザーのプリンター(DCP-J757N・2014年発売)
複合機と中古スキャナーの二台持ちも?!
ただし、現在の複合機に付いているスキャナーの多くがCISセンサーという軽量タイプだということは頭の片隅に入れておいてもよいと思います。複合機ならではの手軽さもありますが、単機能のスキャナーの多くに搭載されているCCDセンサーに比べると劣ります。ですから、切手の繊細な色合いを再現する上で物足りないようであれば、CCDセンサーのついたスキャナーを別に買ってもよいかもしれません。私はCCDセンサーの付いた数年落ちの中古スキャナーを2,000円くらいで買って使っていますが、最近の安価な複合機よりも優秀だと感じます。
できれば欲しいADF機能
もう1つ複合機のスキャナーで迷うのは、ADF機能(原稿自動送り機能)の有無でしょう。例えば、プラザ―では10,000円超の複合機から付いていることがあります。切手収集をしていると、専門カタログなどで何度も参照したくなるページが出てくると思います。郵便料金表や専門範囲の目打や色調の表などはその典型でしょう。こうしたページはADF機能を使ってPDFファイル化しておくと、非常に便利です。
Dropboxなどに保存しておき、スマートフォンやタブレットからいつでも参照できるようにすれば、理想的でしょう。
ブラザーのプリンタのADF機能を利用しているところ。
切手収集家向けのプリンタ選びの観点
まとめましょう。ここまでいろいろなことを書いてきましたが、切手収集家としては次の4つの観点を意識しながらプリンタ選びをするのがポイントになるかと思います。ぜひご自身にとって、最適なモデルを探してみてください。
- Letterサイズの印刷と背面印刷機能は必須
- 場所に余裕があれば、A3プリンタも検討
- オンデマンド印刷も視野に入れたい
- スキャナはADF機能の有無が主なポイント
次回の記事では、小規模な切手展の愉しみ方についてお伝えしたいと思います。