では実際に配線ダクトをどのように使用すればいいの?
ダクトレール用の照明器具はJIS(日本工業規格)で規格されているため、ダクトレールのメーカーの違いに問わず、使用可能です。またダクトレールには様々なプラグがオプションであります。
写真2. 落下防止付きの配線ダクト(黒く見えるラインは直管型LEDランプ、間接照明に応用)
また、ペンダント器具のコード長を調整する吊りフックや蛍光ランプ型LEDの落下を防ぐための落下防止フックなどがあります。(写真2)
なお、ダクトレールは照明器具の灯数制限があるので注意しなければなりません。もし適合負荷容量が6Aとあれば100Vの白熱灯で600Wまでになります。
また60W形相当の6W(0.1A)LEDスポットライト器具であれば、計算上では60灯まで取り付けられますが、レールの負荷重量制約を考慮すると、さほどの数量は取り付けられません。
またダクトレールは一般に1m、2m、3mの長さがあり、それぞれの長さで、当然取り付けられる灯数も制限されます。
特に12V用の器具を一般的な100V用のダクトレールに付ける場合、少し大きめの電源装置を持ったプラグになるため、その大きさで取り付け灯数が制約されます。(写真3)
写真3. 12ボルト用の電源装置を装着したプラグ付き器具
ダクトレールは前述のように基本、天井からの照明になります。2種類の配光の異なる器具をつければ、空間に変化を生み出します。例えば写真4のように全般照明と局部照明の併用による空間演出もできます。
写真4. 全般照明(直管型蛍光灯の間接照明)と局部照明(LEDスポットライト)の併用による空間演出
しかし、それでも照明変化にやや乏しい結果になるのであれば、写真5のように視線より下からの照明を加えることで、より雰囲気が改善されます。
写真5. 写真4に観葉植物へのアッパーライトを加えた演出
ダクトレールの照明はいろいろな演出効果を楽しみたい場合にとても使い勝手が良いです。しかし、時にダクトレールの照明以外の明かりを加えることがダクトレール照明をより効果的に引き出すための秘訣と言えます。
なお、ダクトレールに照明器具を取り付ける場合、メーカカタログ等の注意事項をよく読んで、間違えのない使用が求められます。
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