ライティングダクトとは
ライティングダクトとは細長いダクト状の中に電気配線が施されたもので、別名配線ダクトとかライティングレール(以下、ダクトレール)などと呼ばれています。(写真1)写真1. ダクトレールの詳細(右の部分がフィードインキャップ)
このダクトレールはおもに天井に直付けされたリ、埋め込まれたりしますが、天井高のある所では、吊り下げて使われることもあります。また天井付けほど多くはありませんが壁付けもあります。
専用のプラグが付いた照明器具であれば、このダクト上の好きな位置に取り付けられます。
ダクトレール用器具はおもにスポットライトが多く、器具の脱着が自由なので、展示替えが比較的多い店舗や美術館、博物館照明に重宝されています。
ダクトレールの歴史は意外と古く、1920年代に遡ります。アメリカの照明メーカにより発明されたものとされていますが、通常は一本のダクトに一回路の配線となり、そこに取り付けられた器具は複数灯の場合、すべて同時に点灯、もしくは消灯します。
戦後しばらくしてドイツのメーカが一本のダクトに3回路が配線されたタイプを開発して、日本でも一時期話題になりました。
3回路ダクトレールはスイッチ操作一つで、一本のダクトに装着されている複数の照明器具を個別に点滅させることが可能なシステムです。
例えば店のショーウインドに使用すれば点滅スイッチの簡単な操作だけで照明効果を変えることができます。
常時同じ照明効果のショーウインドに比べ、時間で照明を変化させることができるため演出次第で訴求力の高いショーウインドになります。
なお、照明光源がLEDになってから、ダクト対応のワイヤレス器具によって通常の1回路用ダクレールトでも、複数灯の器具を個別に点滅・調光することが可能になっています。
ダクトレールは引っ掛けシーリングやローゼットなどの配線器具に簡易取り付けできるタイプもあります。(図1)
図1. 配線器具に簡易取り付けできるタイプ
この種のダクトレールはメーカによって別にインテリアダクトとかスライドコンセントなどと呼ばれています。配線工事が不要なため賃貸住宅でも使用が可能でが、ダクトに付属の金具がついていて、天井にビスで固定するタイプは不向きです。
またダクトレール本体に点滅スイッチ機能がついていないため、ダクトの照明器具を点滅させるための壁スイッチが必要になります。
住宅にこのダクトレールを使用する場合、ダイニングルームが勧められます。例えば食卓上に設置すれば、そこに専用プラグ式のペンダント器具を取り付けることができ、それによってペンダント器具の取り付け位置や間隔、取り付け高さを現場で見ながら調整できるメリットが生じます。
次のページでは、「では実際に配線ダクトをどのように使用すればいいの?」についてご紹介します。