金沢の観光・旅行/金沢の観光スポット

地元感が魅力!金沢の醤油名産地・大野と海辺の町歩き(2ページ目)

金沢駅を挟み、兼六園やひがし茶屋街など人気の観光名所が綺羅星の如く集中する東側とは対照的に官公庁やオフィスビルが立ち並ぶ西側。一見、観光とは無縁に思えますが、藩政期には金沢の海の玄関口として北前船の往来で賑わった金沢港を中心に豊かな町人文化が花開き、新鮮な海産物を始め、醤油・味噌など伝統に育まれた食材や珍味も豊富なエリア。武家文化のちょっと澄ました東側とは違った、普段着の金沢を歩きませんか?

吉田 薫

執筆者:吉田 薫

金沢ガイド

先見の明を持つ「海の百万石」と呼ばれた男、銭屋五兵衛の波乱の生涯を辿る

外観@石川県銭屋五兵衛記念館

石川県銭屋五兵衛記念館は大野湊緑地公園に面しているので、天気のいい日は記念館見学の後、公園を散策するのもおすすめ。

「海の豪商」「海の百万石」の異名を持つ銭屋五兵衛は江戸時代末期の安永2年(1773年)、加賀国宮腰(金沢市金石町)に生まれました。

僅か1代で巨万の富を築き、総資産300万両(3000億円)、加賀藩への御用金は1兆円を超す“加賀の銭屋か、銭屋の加賀か”と言われたほどの大商人で、代々両替商を営んでいましたが、五兵衛39歳のときに一時廃業していた海運業を再開。
北前船の大錨

氷見沖20km、狼煙岬付近から引き揚げられた、正真正銘本物の北前船の大錨。

天保年間には藩の重臣・奥村栄実から莫大な御用金調達の見返りに御手船裁許(おてふねさいきょ:藩公認の海運業者)に任命され、全盛期には全国に支店34か所、大小合わせて200艘余りの北前船を所有するまでに上り詰めました。

鎖国体制下にありながら、密かにアメリカ・ロシア・イギリス・オーストラリアなどの外国とも貿易し、最後の大事業として河北潟の干拓に着手したのですが、周辺住民の猛反対と加賀藩内部の権力闘争に巻き込まれ、一族もろとも投獄。財産はすべて没収され、家名も断絶しました。
外観@銭五の館

銭屋五兵衛を中心に一族所縁の遺品を展示している銭五の館。豪商だっただけあってどの品々も一級品です。

こうした経緯から悪徳商人の烙印を押された五兵衛ですが、時代と共に彼の業績は再評価され、悲願だった河北潟干拓も死後100年を経て実現。石川県銭屋五兵衛記念館及び銭屋の本宅の一部と蔵を移築した銭五の館では、そんな五兵衛の偉業と波乱万丈の生涯をつぶさに辿ることができます。

石川県銭屋五兵衛記念館
住所:〒920-0336 金沢市金石本町口55
TEL:076-267-7744
開館時間:9:00~17:00
休館日:12月~4月の火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
観覧料(銭五の館と共通):大人500円 / 小中学生350円

銭五の館
住所:〒920-0351 金沢市普正寺町参字85-1
TEL:076-267-2333
開館時間:10:00~17:00
休館日:12月~4月の火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
観覧料(銭屋五兵衛記念館と共通):大人500円 / 小中学生350円

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