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なぜ今?市川海老蔵・長男のお披露目(2ページ目)

今月の歌舞伎座で、市川海老蔵の長男がデビューしました。しかしまだわずかに2歳8ヶ月。なぜ今、お披露目の必要があったのでしょうか。その理由を解説します。

宗像 陽子

執筆者:宗像 陽子

歌舞伎ガイド

夜の部「江戸花成田面影」にて登場

勸玄君が出演したのは、夜の部の最初の演目「江戸花成田面影」です。
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初お目見えは江戸花成田面影


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堀越勸玄初お目見えと書いてあります

この演目はなんと、十一世市川團十郎五十年祭と勸玄君お披露目のために構成された一幕。

観客は勸玄君目当ての人も多く、一幕見も30分以上前から長蛇の列でした。

「勸玄君は、なんていうのかしら」「なにか見得は切るのかしら。トンなんて、足をならして」「どうかしら。無理じゃない?だって2歳よ」

などと、おばさまたちは待ち時間も気にならず、勸玄君の噂でもちきりです。

江戸花成田面影は一幕もので、成田屋とゆかりの深い成田不動尊が深川に出開帳をするという華やかな雰囲気で始まります。賑々しく芸者(坂田藤十郎)や鳶頭(中村梅玉・市川染五郎・尾上松緑)が踊るなか、出開帳を取り仕切る仁左衛門(片岡仁左衛門)がやってきます。

肝心の成田屋さんが来ないねえ、と一同訝しんでいるところに、颯爽と海老蔵が勸玄君の手をひいて現れ、群衆を前にご挨拶をするというものです。


歌舞伎座中がドキドキハラハラ!そして笑顔!

もう、勸玄君が花道を出たところから歌舞伎座場内は大喝采と「大丈夫だろうか」とハラハラ見守るなか、しっかりとした足取りで勸玄君は中央に出てきます。

海老蔵の挨拶のあと、小さな扇子を懐から出して、きちんと正座。「堀越勸玄でございまする」との挨拶。もっともガイドの耳には「ほりゃこしかんげんでしゅ」と聞こえましたが、ご愛嬌です。

あー、もうかわいくて歌舞伎座中の観客が前のめりになって舞台上の勸玄君のみを注視。歌舞伎界の重鎮たちがにこやかに見守る中、ご挨拶が終わるとまた歌舞伎座中が「ほっ」。

安堵のため息のあと、一挙に歌舞伎座中が笑顔になってしまうようなデビューでした。

歌舞伎座中の注目を浴びながらも堂々としていた2歳児の姿は、まさに市川家の跡取りの名に恥じぬものと言っていいのかもしれません。

さて、下世話なファンは、勸玄君は舞台の前はどんな様子なのだろうか、終わったあとはどうしているのだろうかと気になるところ。そこは海老蔵パパが、一日10回以上も更新をしているブログにて、ちゃんとその元気な様子を報告しています。

本番直前まで熟睡をしている勸玄君。終わったあとは笑顔ではしゃぐ様子など、逐一海老蔵パパの手によってブログでアップ。人気に拍車をかけています。

今の海老蔵のお父さん十二世市川團十郎の五十年祭のときには、勸玄君が五十歳。海老蔵は八十五歳とか。

そのときの歌舞伎界がますます盛り上がっているよう、海老蔵パパも勸玄君も精進してほしいものですね!

歌舞伎座11月公演は、11月25日まで。
チケットは全席売り切れていますが一幕見でしたら観劇可能です。
江戸花成田面影の一幕見は、14:50売り出し開始です。
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