そこで住宅展示場と街なか見学会は使い分け、合わせ技で活用しましょう。
住宅展示場は企業の特徴とデザインを見比べられる絶好の場
総合展示場は最新の住宅トレンドをつかむ絶好の場
住宅企業が新商品や新モデルを発表すると通常はそれを披露するモデルハウスを建てることが多いので、言うまでもなく、総合住宅展示場は各社の最新トレンドを1か所で見て知れるというのが利点です。
ちなみに2015年のトレンドとしては、太陽光発電システムなどでエネルギーをつくり、蓄電し、家庭内で制御できる「スマートハウス」に各社注力しています。また、夫婦2人など少人数世帯向けの平屋建てであったり、都市の狭い敷地でも上に階層を伸ばして賃貸・店舗・二世帯併用にすることで、家賃収入や親子ローンでローン返済を効率化することのできる多層階の住宅など、時代を映す様々な提案が形になっているので、自分たちが考えていたプランでより多角的なヒント・アイデアを得られる機会にもなりそうです。
もう一つ確認しておきたいのは動線や収納。あくまで参考値となりますが、家事動線や子育て動線、壁面収納など、各社が工夫しつくした事例が用意されているので、自分たちのプランを作成する際の参考にもなります。
【営業担当者の比較】
モデルハウスの営業担当者から社風を感じられることも少なくない(写真はイメージ)
【デザインの比較】
また、カタログや写真を見るだけではイメージが沸きにくいですが、実際に自分の目線で歩きながら外観や内観を確認でき、各社の特徴的なデザインを一挙に把握できるのも魅力です。
洋風・和風・和洋折衷・シンプルモダン・数寄屋造りなど、木造や鉄骨など構造・工法別に得意とするデザインは違います。展示場はこの外観を一挙に比較検討できる場所でもあるので、実際にモデルハウスの前面道路に立って外観を見上げたりして確認しておきたいところです。
ただし注意したいのは、総合展示場のモデルハウスはリビングもキッチンも非常に広く作られているので、自分たちサイズに置き換えて見学することを忘れずに。
等身大の街なかモデルハウスや実邸は現実に即してチェック
昨今、街中モデルハウスや実邸見学会が増えています。前者は街中に現実サイズのモデルハウスを建て、一定期間公開後に売るもの、後者は実際に建てたオーナーが竣工後しばらく自邸を公開するもので、いずれも敷地も建物も展示場のモデルハウスよりは、かなり現実サイズに近いものになっています。【街並みと外観との調和を確認】
実棟見学会では部屋のリアルサイズ感を体感できる
土地がまだ決まっていない場合でも、会場で相談すれば土地を紹介してくれることもあります。これからの地価は街並みという視点でも評価が決まっていきますから、末永い資産という面でも意識しておきたいところです。
そして中に入る前に確認しておきたいのは、門から玄関までのアプローチであったり、外溝や庭のイメージ。ほとんどの方が敷地が限られている時代ですから、どれくらいの庭や外溝サイズであれば満足できるのか、前面道路や門前に立って確認してみましょう。
【あちこちに立ってみてサイズ感を確認しよう】
実際に子どもを連れて中で遊ばせてみると子育て動線がイメージつきやすい
特に奥様や女性におすすめしたいのが、キッチンに立って四方を見渡してみること。奥様やママですと、実際に生活し始めるとキッチンに立ってご家族と会話することも多いですし、お子様を見守るのもキッチンからのことが少なくありません。洗面所や洗濯スペースなどの水回りとのつながりも確認しておきたいところです。
【オーナーに聞いてみよう】
展示場と実邸見学会の大きな違いは、実邸には実際に住むお客様がいるということです。見学会によってはオーナーであるお客様も同席して、なぜこの会社にしたのか、プランニングで工夫したのはどういうところかなどについて、自分の言葉で語ってくれることもあります。営業担当者とはまた違い、購入側の先輩としての生の声はとても参考になります。
このように、住宅展示場と実棟見学会はそれぞれに大きなメリットがあり、できれば両輪で使いこなしたいところ。まずは展示場で大まかなトレンドを把握したうえで、営業担当者に近くの見学会スケジュールを聞き、実棟見学会でより現実なプランを練る流れがスムーズでしょう。実棟見学会スケジュールは住宅企業のHPでも確認できる場合もあります。