デザイナー:ヨーガン・レールがデザインしたゴミ再生ランプ
「わ~~~、なんて美しいライト(照明)群、なんだろう。。。」ブルー、レッド、ホワイト、グリーンなど極彩色の光を放つクラゲのように空中に浮かぶカラフルな色明かり。
床からニョキニョキと生える光る植物のような明かり。
細いスチールパイプの先でゆれる何か容器のようなランプ。
映画ブレード・ランナーのワンシーンに出てきそうな、そんな近未来的な世界感が漂っている。
ランプ(照明)の一つ一つをよく見ると、漁村かどこかでみたブイやバケツ、ペットボトルのキャップ(栓)、ペットボトル、様々なボトル・タンクなどプラスチックのモノ・・・それも破れたり、欠けていたりを組み合わせている。
壁にあるクレジットをみると「ヨーガン・レール」と記載されている。
エ~~、あのテキスタルデザイナー:ヨーガン・レールの作品だ。
最後の仕事として続けたゴミの照明器具制作
ヨーガン・レールと言えば、「天然素材の持ち味を活かしたシンプルで静かな音が聞こえてくるファッションブランド」のオーナーデザイナー。1970年代から日本でブランドを立ち上げ、表参道にオリジナルショップをオープン。その後全国にショップ展開しながら息の長い制作活動を続けたテキスタイルデザイナー/ファッションデザイナー。また、テキスタイルデザイン同様の感性で家具デザインもした。
残念なことに昨年9月移住先の沖縄県石垣島にて自動車事故で逝去されたヨーガン・レール。晩年、彼が自分自身の最後の仕事として、日課で浜辺を清掃して拾い集めたゴミで照明器具を制作しつづけたそうだ。
こんなにも美しいモノが、浜辺に打上げられたゴミから・・・。
人間が生産したモノの終焉、残骸のゴミ。そのゴミを再度美しく「使えるもの」に蘇らせているヨーガン・レールの感性。
同じ作り手側のひとりとして、またゴミが日常化した社会で暮らすひとりの人間として、ウ~~ンと暫し凝視していると、美しく浮遊するランプ達が語りかけてきた・・・「モノの在り方を考えよう、よ。」と。
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